整備日記
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簡単に考えないでほしいところ
先日、お客様から「エンジンから変な音がするので、ガソリンスタンドで見てもらったら、水漏れしているから点検してもらった方がいいと言われた」という事で連絡を頂きました。
入庫の日程の予約をして、入庫されました。
入庫時、変な音は聞こえなかったものの、お預かりして早速、状況確認。
エンジンルームを覗いてみると!?
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分かりにくいので角度を変えると。
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エンジンのベルトが半分、引きちぎれてファンに巻き付いていました(汗)
こうなると「異音」とか「水漏れ」とかいう前に状況を把握しないとならないのですが、この部分のスペースが狭くて、どうにもなりません。
そこで前側から順次、外していきました。
フロントバンパーやグリル。タイヤに…と。
ヘッドライトにフロントフレーム。コンデンサー、ラジエーターまで外して、ようやく、こんな感じです。
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ここまで外して、やっとたどり着きました。
まずはベルトをはがします。
写真では、簡単な作業に見えるかもしれませんが、スペースが狭いのでニッパーで少しずつ切り刻んでいくという地道な作業です。
約30分くらいで、このように巻き付いたベルトが外れました。
分かりにくいですが、この時点でウォーターポンプがガタガタになっていました。
ここでファンが外れるようになり、全体が見えるようになります。
明らかな変色とベルトが切れた時の粉末が付着しています。
そしてウォーターポンプを交換!
左の不具合品の裏側を見ていると。
ハネの下の部分が接触して削れています。
こちらが新品↓↓↓
このガタげ原因となり、ベルトの動きが左右に揺れて、作動し続けたものです。
結果がこちら↓↓↓
エンジンからの音は「いつもと違う」と感じた時点で修理工場で点検される事をお勧めします。
結果が、こうなってしまうと2次的に、他の部品まで壊れてしまう事になります。
あまり簡単に考えない方がいいのではないでしょうか。
心配な時は、ぜひお立ち寄り下さい。
お待ちしております。
続・音の修理は本当に難しい
さて、前回の続きです。
この「フロント・バルブ・ブロック」のパイプ部分に、強い振動が伝わってくるのを確認しました。
では、この部品を交換!という訳にはいきません。
前回も言いましたが高額部品です。
慎重に行きましょう。
その振動が、どこからくるのかです。
パイプを伝っていくと、エンジンルーム内部へ。
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前側にあるパイプに伝わってくる事を確認!
さて、カバーを外してみましょう!
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パイプがポンプらしき部品に接続されています。
角度を変えてみると。
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もう少し拡大してみます。
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パイプが接続されている横に球体の部品があります。
この部品は「パルセーションダンパー」といって、ポンプ駆動で発生する脈動を吸収する部品です。
外すと、こちら↓↓↓
左側が取り付けられていた部品で、右側が新品です。
上から、ちょっと覗いてみます。
これが取り付けられていた部品。
で、こちらが新品。
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フラッシュで反射して見えにくいですが、中の上部が丸いバルブみたいなもので止まっているのがわかります。
取り付けられていたものには、見えません。
これは、内部に注入されているガスがショック(ダンパー)の役目をしていて、そのガスが抜けて落ちてしまっているという事です。
それで脈動を吸収できず、振動として伝わってしまったという事なのです。
という事で、こちらは交換作業を終えて、症状は解消されました。
やはり、音の修理は本当に難しいです(汗)
安易な交換作業は慎重に。
音の修理は本当に難しい
おかげさまで自動車の自動車の整備工場として50年を超えた弊社。
整備内容は車検整備だけではなく、「一般修理」と言われるような作業も致します。
例えば「エンジンの調子が悪い」「窓ガラスが閉まらない」「エアコンが効かない」など、多種多様にあります。
その中でも難しいのが「音」の修理です。
「音」は響くので、「鳴っている」ところと、「聞こえる」ところが違う場合もあり、また「走っている状態でないと音が聞こえない」などの症状には、頭を悩ませます。
以前、こんな事がありました。
「シフトレバーをDレンジに入れると、ミッションから変な音がする」というので点検して見ると。
シフトレバーの中から「ピー」という音がして、よく見てみると、シフトレバーの内部に「補聴器」が落ちていたという事がありました。
また「ミッションから変な音がする」という事で点検すると、コンソール内に入っていた「松ぼっくり」だったり(汗)
今回、ご依頼いただきましたのはメルセデスベンツのSクラス(W221)です。
「左の前付近から異音がする」という症状で入庫されました。
試乗してみますと、車両が停止状態の時には音はせず、走行中のみ異音が発生する事を確認しました。
左の前というと
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タイヤ? ブレーキ? ショックアブソーバー?
それ以外に何があるでしょうか?
タイヤハウス内のカバーを外してみます。
それが、こちら↓↓↓
何やら見えてきました。
拡大して見ると。
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こちら、ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)システムの「フロント・バルブ・ブロック」という部品がここに配置されていました。
簡単にいうと「ABC」システムとは「油圧制御サスペンション」システムの事。
この部品はフロント側のサスペンションの制御を行っている部品です。
このパイプ部分に、何か、ちょっと強めの振動が伝わってくるのが、わかりました。
となると、この部品を交換!
そう簡単にはいきません!!
試しに交換するにも、数十万円の部品ですからねぇ~(汗)
ちょっと長くなってしまうので、この続きは次回。
交換してはいけません
年々、車が進化していき、「電気」から「電子」へと変わって行きます。
その過程で一つ一つを動かすコンピューターが「パソコン化」しています。
どういう事かと言いますと、例えば「エンジンのコンピューターが壊れてる」となった場合、以前であれば「交換」です。
でも最近のコンピューターの場合は中の「ソフトウエアを書き換える」という作業になってきています。
以前、こんな事がありました。
車検で入庫し、点検したところ、リヤフォグランプの点灯がおかしい事に気が付きました。
それが、こちら↓↓↓
見てみると、左側が点灯しています。
これでは車検検査を通す事が出来ません。
リヤフォグランプの点灯を制御しているのは、「リヤSAMコントロールユニット」という部品です。
以前であれば、「交換してみよう」となりますが…
テスターで確認してみると↓↓↓
新しいバージョンのソフトウエアが用意されていました。
早速、バージョンアップを開始!
この作業をする場合、イグニッションオンで「エンジンを掛けない状態」で行う事。
それと充電器を接続して「12V以下にならないようにする」事に注意して行います。
そしてバージョンアップが完了。
すると、どうでしょうか!
このように右側が点灯するようになりました。
正直、私どもに、なぜ、こうなってしまったのかは、わかりません。
コントロールユニット内部のソフトウェアが、何かしらをキッカケに不具合が生じてしまったのでしょうか。
現在の車には、交換をする前に、まず、このような作業をする必要があります。
でも、全てが、こうなっているわけではありません。
メーカー、車種、個別コントロールユニットによって違います。
わからない方は、交換する前に一度、ご相談下さい。
お待ちしております。
見た目より、かなり難しい。
最近ではライト関係の部品が次々と「LED化」しています。
「ヘッドライト」「ブレーキランプ」「室内灯」までも。
今回、お客様から「フォグランプのバルブをLEDバルブにしたい」との、ご依頼いただきました。
車両はポルシェ↓↓↓
カッコイイですね~。
さて、フォグランプは、この部分です。
作業をしてみようと、 下から 覗いてみると。
こんな感じ↓↓↓
写真で見るより結構、狭いです。
そしてコネクターを外します。
次にカバーを外してみると…
なんとカバーだけで簡単には外れません!
そして、カバーに取り付けられている配線を外して。
ようやく、見えてきたのが、こちら↓↓↓
これでも構造が、どうなているのか、よくわかりません(汗)
さて、試行錯誤の結果、外れました。
それが、こちら↓↓↓
さらに外して、バルブのみに↓↓↓
上記の写真では、ハロゲンのバルブとLEDのバルブを並べました。
なぜ、並べたかというと。
調べていただくとわかるのですが、実は単純に「LEDバルブ」といっても、形状の種類が色々あって、長さや、太さが、それぞれ違います。
なので、交換する場合は、よく調べてから交換して下さい。
そして、ここが重要ですが!
この作業は一般ユーザーの方が簡単に出来る作業ではありません。
それなりに「工具」が必要です。
しかも汎用のものだけでは難しいと思います。
外すところまでは出来るかもしれませんが、取り付けは、かなり難しかったです。
「リフトアップが出来る事」「工具の種類が豊富にある事」が条件でしょうか。
DIYが流行っている今、何でも自分でされる方が多いと思います。
無理に外そうとして、結局、壊してしまう場合もありますのでご注意下さい。
何かありましたらご相談を!