削って痛い目にあった部品

輸入車のユーザーさまで一番の悩みどころは「修理費用が高額になりやすい」という事ではないでしょうか。

弊社は、その声にお応えしたいと常日頃から試行錯誤しております。

ある時、メーター内にエンジンのチェックランプが点灯したという事で修理を承りました。

車両はメルセデスベンツのSクラス。

テスターで診断した結果、セカンダリーエアーポンプが作動していない事が判明しました。

「セカンダリーエアー」とは、エアクリーナーを通る経路以外から、空気を送り込んで、触媒コンバーターの機能を活発にさせるためのもの。

日本語に変換すると、そのまま「2次空気」というやつですね。

そのポンプは、どこに配置されているかといいますと。

こちらはエンジン↓↓↓

フロント側にカバーを外すと。

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もうちょっとアップにしてみましょう。

真ん中にある黒い部品がポンプです。

作動する時はモーター音がして、左右のバルブ(金色の部品)が開いて、エキゾーストマニホールドへ空気が送られます。

部品を外してみるとこんな感じ。

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左側が不具合のある部品。右側が中古部品です。

角度を変えますと。

左側の部品。写真の上部の側面がメッシュになっています。ここから空気を取り込んで、モーターが回り、左に出ているパイプへ押し出す構造です。

ちなみにテスターで作動させると、こうなります。

↓↓↓

ポンプを強制的に作動させると。

↓↓↓

O2センサーの電圧の数値が「3桁」から「2桁」に変化しています。

なかなか強力なパワーですね。

以前は、ここで交換作業をして、お客様へ「修理が完了しました」と、お引渡ししておりました。

でも数日後…

同じ症状で入庫。

故障メモリも同じ。

不具合個所も同じ。

どー! ゆー! こっちゃー! と頭を抱えました。

診断し直してみると原因が判明。

交換した部品が、こちら。

↓↓↓

上が作動用リレー。下が電源ヒューズです。

リレーの形状が変更されているのがわかります。

診断してみると…

状況としては、こうなります。

・リレー内部の接点が固着してリレーがONのままになる。

・ポンプが回り続けて、内部が焼き付く。

・電源ヒューズが切れる。

こんな感じです。

状況によっては、ヒューズが切れていない場合もあるので判断に迷う場合があるかもしれません。

ほとんどの場合、「ポンプの内部抵抗が大きくなって作動出来なくなる」状態になっています。

費用を抑えるために「壊れていない部品は交換しなくてもよい」というのは間違いではりません。

でも、後先を考えた場合、交換しなくてはいけないものもあります。

当然ですが故障原因を、しっかりと見極めることも同時に、大切な作業です。

安い部品ならいいかもしれませんが、高額の部品の場合は目も当てられないですよね。

今後も、しっかりと原因を見極めた作業をしていきたいと思います。

エアコンが必要な季節です。

段々と暖かくなり、ここ最近ではムシムシする事も多くなってきた、この時期。

車を運転するユーザーさまには、欠かせないのがカーエアコン。

先日「エンジン始動から数分後、突然エアコンが効かなくなる」という症状で入庫がありました。

車両はメルセデスベンツのSクラス。

「W220」というタイプです。

テスターで診断してみると「室内温度センサー不良」との診断結果。

エアコンのコントロールユニット内の実測値では「0度」と表示されていました。

そして温度センサーといっても、この車両には「2か所」あります。

1か所目はこちら↓↓↓

こちらはフロントルームランプユニット。

正式名称は「ルーフ・オペレーティング・ユニット」です。

このユニットは「ルームランプの操作」だけでなく、「スライディングルーフの操作」「セントラルロックの電波の受信機能」もあります。

そして、もう一つの機能が室内の温度を測定することです。

どこで測定しているかというと。

こちら↓↓↓

中央のスイッチの右側に6本の線状で穴が開いている部分。

この内部に温度センサーがあります。

そして、このセンサーは室内の「上部」の温度を測定しています。

では「下部」はあるのか?

あるんです!

それが、こちら↓↓↓

こちらはエアコンのコントロールユニットが内蔵されている「操作パネル」です。

見てお分かりだと思いますが…

右上の縦線状の内部に温度センサーが内蔵されて、室内の下部の温度を測定しているのです。

このように「頭上の温度」と「体の温度」との差を測定する事によって、 より快適なエアコンの制御をしているのです。

凄いですね~!

でも、残念な事が一つ!!

故障したら単品交換は出来ません(汗)

アッセンブリ交換となります(泣)

という事で当然、高額修理になってしまいます…

年代によっては部品が生産中止になってしまっていたりします。

でも、中古部品を使用できる場合もあります。

今回の修理については中古部品で対応しました。

何かありましたらご相談下さい。

お待ちしております。