整備日記
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なかなか珍しい作業③
さらに続きます。
今度はエンジン側を見てみましょう!

クラッチのカバーが見えています。
正面から見ると↓↓↓

ここでの特徴は、こちら↓↓↓

カバーを固定しているボルトは「12ポイント」の10㎜のボルト。
普通であれば「6ポイント」のボルトを使用しますが、あえて「12ポイント」のボルトを使用しているようです。
「強く固定したい場合」なら、力を掛けやすい「6ポイント」のボルトを使用しますが、あえて「12ポイント」にする事で、一般工具での整備をさせないようにさせているのかもしれないなぁ…なんて。
色々と調べてみましたが、その理由はわかりませんでした。
分かる方がいらしたら、ぜひ教えて下さい。
宜しくお願い致します。
さて外してみました。
↓↓↓

ここをクリーナーなどを使用して綺麗にすると
↓↓↓

あんまり変わりませんね(汗)
さてクラッチのカバーはこちら↓↓↓

カバーを新品と比べてみましょう!
↓↓↓

当然ですが、ディスク部の焼け具合が全然、違いますね。
ではディスク側を見てみましょう!
↓↓↓

こちらの場合、ディスクの溝の状態が、やはり新品とは違います。
さて今回も、ちょっと長くなってしまいました。
次回はレリーズシリンダーの交換工程をご紹介いたします。
では、お楽しみに!
なかなか珍しい作業②
先日、ご依頼いただきました「クラッチオーバーホール」の作業の続きです。
こちらが取り外されたトランスミッションです。
↓↓↓

角度を変えましょう。

作業工程としては、トランスミッション側を傾けて外します。
ここまで外すのに…
・ドライブシャフト
・プロペラシャフト
・エキゾーストパイプ
・サブフレーム などなど
かなり面倒です。
そして外す時に邪魔になったのが、ここ。
↓↓↓

外しましょう!

マウントのブラケットです。
この上部はといいますと。
こちら↓↓↓

写真中央の上側からフレームがなくなるところまでの高さが意外とあり、邪魔して、なかなか外れませんでした。
こいつは外しておける状態にした方がいいと思います。

まずはミッション側を見てみましょう。

レリーズベアリングがあります。
これを外すと↓↓↓

こちらベアリングを直接、オイルで押し出す構造になっています。
テコの原理で動かすものが一般的ですが、こういうのは初めて見ました(汗)
ちょっと長くなりましたので続きは次回に致します。
なかなか珍しい作業です。
最近の車両は「オートマチックトランスミッション(A/T)」が主流です。
そのため、マニュアルミッション(M/T)を乗れない方も増えていますね。
あえてM/Tに乗る方は、「車を楽しみたい」と思っておられる方なのではないでしょうか。
弊社でも入庫される車両の9割以上がA/T車両です。
先日、珍しくM/T車両の修理依頼を頂きました。
もちろん修理内容は「クラッチオーバーホール」です。
車両は「フォルクスワーゲンゴルフR32」
↓↓↓

エンジンルームはこちら↓↓↓

かなり狭い設計になっています。
さて下からみますと、こんな感じ。


左半分がエンジンで、右半分がクラッチの構造となっています。
そして後ろ側です。

この車両は「4輪駆動(4WD)」のためプロペラシャフトを外さねばなりません。
これが、なかなか大変です。

エキゾーストパイプの上には遮熱版で、しっかりとガードされてます。
よく見ると、面白い事に気が付きました。
↓↓↓

このサブフレームはエンジンとは、つながっておらず、ボディーとステアリングギヤボックスとクラッチのブラケットだけで、サブフレームを外しても、エンジンが降りてくる訳ではありません。
ここら辺がメーカーの特徴というものなのでしょうね。
弊社の作業では「邪魔になる部品は、とりあえず外してみる」という事が多いもので。
初めて、この車両の状態を見た時は「エンジンごと、降ろしてしまった方が早いのではないか」と考えましたが浅はかでした(汗)
さて実際の作業は次回以降、ご紹介いたします。
お楽しみに!
距離を走れば,どこでも劣化します。
タイトル通りで、こんな所も劣化するんだとビックリした事例をご紹介いたします。
車両はジャガーXJ。
フロントの足回り付近からギコギコと音がするという事で入庫。
左フロントのショックアブソーバーの上部から音が出ているとの事。

見た目は何も悪いところはありません。
そして外していきます。


普通なら「ギコギコという音」と聞くと「ボールジョイント」というイメージがあったのですが、実際に音を聞いてみると、確かにショックアブソーバーの上部から。
下から見てみると。
↓↓↓

何か錆ついてますよね(汗)
そしてショックアブソーバーを取り外し。

取り付けられていた部分には特に変なところはありません。

そして、これが外れた上部の部品。
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上から見るとわかりませんでしたが…
下から見ると明らかに劣化している事がわかります。
↓↓↓

個別の方がわかりやすいので。
こちらが新品↓↓↓

こちらが不具合部品↓↓↓

ショックアブソーバー上部が取り付けられている部分のセンターが、ズレていることが判明。
さらに、こちら↓↓↓

高さもこんなに変化していました。
当然ですが組付けたら、左右の高さが多少なりとも変わりますね。
高走行距離車両は、色々な部品にダメージが出てきます。
またイメージとは違う故障も増えてきますね。
不具合が発生した時はできるだけ早く修理して、快適なカーライフをお楽しみに頂ければと思います。
よく考えれば、人間と同じですねぇ~。
年を重ねたら定期的な検査と、何かあったら早めの検診です。
何かありましたらご相談下さい。
お待ちしております。
簡単に考えないでほしいところ
先日、お客様から「エンジンから変な音がするので、ガソリンスタンドで見てもらったら、水漏れしているから点検してもらった方がいいと言われた」という事で連絡を頂きました。
入庫の日程の予約をして、入庫されました。
入庫時、変な音は聞こえなかったものの、お預かりして早速、状況確認。
エンジンルームを覗いてみると!?
↓↓↓

分かりにくいので角度を変えると。
↓↓↓

エンジンのベルトが半分、引きちぎれてファンに巻き付いていました(汗)
こうなると「異音」とか「水漏れ」とかいう前に状況を把握しないとならないのですが、この部分のスペースが狭くて、どうにもなりません。
そこで前側から順次、外していきました。
フロントバンパーやグリル。タイヤに…と。

ヘッドライトにフロントフレーム。コンデンサー、ラジエーターまで外して、ようやく、こんな感じです。
↓↓↓

ここまで外して、やっとたどり着きました。

まずはベルトをはがします。
写真では、簡単な作業に見えるかもしれませんが、スペースが狭いのでニッパーで少しずつ切り刻んでいくという地道な作業です。

約30分くらいで、このように巻き付いたベルトが外れました。
分かりにくいですが、この時点でウォーターポンプがガタガタになっていました。
ここでファンが外れるようになり、全体が見えるようになります。

明らかな変色とベルトが切れた時の粉末が付着しています。
そしてウォーターポンプを交換!

左の不具合品の裏側を見ていると。

ハネの下の部分が接触して削れています。
こちらが新品↓↓↓

このガタげ原因となり、ベルトの動きが左右に揺れて、作動し続けたものです。
結果がこちら↓↓↓

エンジンからの音は「いつもと違う」と感じた時点で修理工場で点検される事をお勧めします。
結果が、こうなってしまうと2次的に、他の部品まで壊れてしまう事になります。
あまり簡単に考えない方がいいのではないでしょうか。
心配な時は、ぜひお立ち寄り下さい。
お待ちしております。