なかなか大変な作業でした②

前回、ターボチャージャーが外れたところからの続きです。

さて、この車両のウォーターポンプは「ベルト駆動」されているため、エンジンのベルトを外す必要があります。

これが、「はい、そうですね」と外れません。

ターボチャージャーが外れる前のレンジンルーム。

見ての通り、左側に大きな「マウント」があります。

それがこちら↓↓↓

まずは、このクーラントリザーバータンクを外します。

横から見ると、こうなります。

↓↓↓

上側と下側に分かれてマウントがあります。

上側のマウントは全て、上から外れますので特に問題ありません。

下側のマウントはエンジンと接続しているボルトは、エンジンルームからではなく、「タイヤハウス内」になります。

それがこちら↓↓↓

フロントタイヤとタイヤハウスカバーを取り外す必要があります。

そして拡大してみると…

こうして、ようやくマウントが外れます。

外れて見えてくるのが、ベルトテンショナーです。(矢印)

拡大してみると…

左側がベルトテンショナー。右側がウォーターポンプです。

ベルトテンショナーを動かしてベルトを外すには、どうするか。

この部分にトルクスのソケットを差し込み、時計回りに動かして外します。

でも、この部分は本来、工具が入るほどのスペースはありません。

マウントが固定されている時は、こんな状態です。

この状態から上側にエンジンを上げます。

このくらいまで上げると工具が入ります。

上げる方法はエンジンハンガーで上げるか、下からジャッキで上げるかです。

そしてベルトが外れます。

これでウォーターポンプが外れると思ったら大間違いです。

まだまだ続きます。

なかなか大変な作業でした①

昔に比べて、最近の車両はサイズも、排気量も大きくなりました。

ちょっと前に 「大きな車体の割に小さなエンジン」という、いわゆる 「ダウンサイジング」なるものが流行り、エンジンの排気量を大きくしなくても、しっかり走るように設計させるようになりました。

ですが整備士として、 多くの車が「FF(フロントエンジン、フロントドライブ)」がベースになっているため、 見ていると年々「整備をするスペースが狭くなっている」と感じます。

先日、「ウォーターポンプから水漏れしている」との修理依頼がありました。

車両はメルセデスベンツBクラス(W246)です。

エンジンはM270の4気筒エンジン。

もちろん「FF」ベースです。

エンジンルームを見てみましょう。

見た通り、手が入る隙間がありません。

そして上のカバーとエアーダクトを取り外してみます。

ウォーターポンプが、どこにあるのかというと…

正面に向かって、左側にある「オレンジ色」のダクトの入口の下あたり。

↓↓↓

ここです!

このウォーターポンプを外すために、多くの部品を外さなくてはいけません。

まずは見える部分である「ターボチャージャー」から外して行きます。

ハーネスラインやベンチレーションラインなどを外します。

ターボチャージャーがハッキリと見えて来ました。

ちなみに、このターボチャージャーは、エキゾーストマニホールド「一体型」となっていますので、これがまた大変です。

エキゾーストマニホールドを固定しているナット、ターボチャージャーに入っているオイルライン、フロントエキゾーストパイプを固定しているボルト等々。

外さなくていけない個所が多くあります。

その工程を経て、ようやく外れます。

外れたターボチャージャーはこちら↓↓↓

上からの写真では、分かりませんが、下側にもパイプラインがあります。

そうして、ようやくウォーターポンプが見えて来ました。

でも、これからが更に大変です。

では次回を、お楽しみ!!