思い込みとは怖いものです。

先日、フロント側のショックアブソーバを交換したいとの依頼を頂き、作業を致しました。

部品を比べてみると↓↓↓

左が取り付けられていた部品で、右側が新品の部品です。

真ん中の位置がずれています。

劣化して低下してしまったのかなと…安易に考えました。

が!取り付けたところ↓↓↓

あれ?やけに高い!

と、リヤ側を見てみると…

なんかバランスが悪い…もう一度比べてみると…

左側が低下しているのではなく、右側の新品が高くなっていたのです。

そして部品をよく見てみます。

真ん中の部分を上げるとなんか出てきました。

そしてもっと上げてみます。

溝があって、一番上にワッシャーがありました。回してみると…

このように「Cワッシャー」なっていました。

なので、これを…

一番下まで下げて取り付けてみました。

この溝が「アジャスター」になっているんです。

すると、どうでしょうか。

しっかり同じ位置になりました。

もう一度、取り付けてみると!

これで違和感なく、お渡し出来るようになりました。

思い込みとは、恐ろしいもので、よく点検するべきでした。

そのために1日、悩んでしまいました。

こういった失敗を次に繋げていきたいと思います。

結構、知らない人が多いです。

昔、サイドブレーキはセンターコンソールにあって、「引く」ものでした。

それが進化して「踏む」ものになっています。

そして現在では「電子化」が進み、「押す」またが「自動」にと、さらに進化しています。

自動車を整備していて最近、困るのが、このリヤブレーキパッドを交換する時にブレーキキャリパーにサイドブレーキモーターが内蔵しているタイプ。

普通に取り外そうと思うと、ビクともしません。また無理に外そうとすると壊してしまいます。

また輸入車の場合、専用のテスターが無いと取り外す事が出来ないようになっていたりします。

ですが、有難い事に「メルセデスベンツ」というメーカーは、テスターが無くても作業が出来るようにしてくれています。

それはメーター上で行う作業で、またの名を「オンボード」で行う作業になります。

例えば、こんなハンドルのタイプ。

まずはイグニッションON!ただし、日本車でいう「アクセサリー」の位置です。

そして、この「OKボタン」と↓↓↓

この「通話ボタン」を同時におします!↓↓↓

するとメーター上では…

↑↑↑この画面から、下の画面に↓↓↓

「OK」ボタンを押して進んでいくと…

こんな感じに「ブレーキパッド交換」の項目が出て来ます。

さらに進んでいくと…

モーター音がしている事を確認!

この画面が出たらOKです。作業に掛かります。

この後は、普通に取り外せます。

キャリパーの横にモーターが取り付けられているのが見えますね。

このようにメーカーによっては、専用のテスターを持っていなくても作業が出来る場合があります。

これはネットで検索すると色々と出てくると思います。

そんなに難しい作業ではありませんので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

それには安全な場所で行って下さいね。

もし難しい場合は、ぜひ弊社へご依頼下さい。

お待ちしております。

いつかの通る道

最近の高級車には「エアサスペンション」を搭載している車両が一般的になってきています。

そして結構、長く乗る方も増えてきています。

そのため初年度登録から10年。または10万キロくらい走行すると大体、不具合が出て来ます。

これからご紹介するのはメルセデスベンツのSクラスで「W220」というタイプ。

駐車中にフロント側の車高が低下するという症状で入庫しました。

見た目にわかりにくいので近づいてみますと。

さらに拡大!

エアサスペンションの下部に取り付けられているゴムの部分(黒い部分)が、少し下方にずれているのがわかります。

そして新品の部品と比べてみましょう!

取り外してみると一目瞭然です。

真ん中のグレーの筒の部分が空気のタンクの役割をしており、空気を挿入した量だけ上昇し、空気を抜いた分だけ低下する構造です。

経年劣化により、ゴムの部分がずれて、外れて、中の空気が抜けて、車高が低下してしまうのです。

ついでに次の世代も見てみましょう!

これからご紹介するのはメルセデスベンツのSクラスで「W221」というタイプ。 「W220」の次の世代のSクラスです。

こちらも同じ症状です。

サスペンションの形状はちょっと変わりますが…

取り外してみるとこんな感じです。

より拡大すると…

角度を変えてみますと…

世代が変わっても基本的な構造は、あまり変わっていくいませんね。

走行距離数を重ねて行けば、必ず通る修理です。

輸入車であれば、大体「30万円」くらいは覚悟して下さい(汗)

ですが、そこはご相談に乗ります!

気軽にお問い合わせください。

お待ちしております。

どうやったらいいものかと。

今回の整備日記ですが、以前に弊社で作業した時、取り外し方がわからなかったのですが、試行錯誤の末、ようやくわかった作業を皆さんに、ご紹介したいと思います。

それはBMWMINIの「R53」というタイプの車です。

ある整備で入庫した時に、運転性足元の横のパネルを取り外そうとしたら、なんと「リヤシートのバックレスト」から外さないと、外せないという事が判明した時の事。

シートクッションはホント簡単に外れます。(パカッとね。笑)

そしてバックレスト部を外そうと前に倒します。

端っこを見ても、外れるようには見えません。

とりあえず見える箇所のボルトを全て外してみましたが、バックレストは外れてきませんした(泣)

そしてバックレストの左右のつなぎ目を、よーく見てみると…

何やらボルトらしきものが見えてきましたね。

とりあえず外してみました。

でも外れません(再度、泣)

そして試行錯誤の結果、何とか右側が外れました。

↓↓↓

そして、はまっていた部分を拡大してみると…

上から下へ、はめ込んでいく構造になっていました。

ちょっと分かりやすくするために、下へ、はめ込んでみます。

そして、ここに先ほどのボルトを取り付けますと。

こんな感じになります。このボルトを締めこむ事で完全に固定されるようになっているのです。

そして反対側はというと。

そして拡大します。

この溝の部分に合わせると外れ、取り付ける時には、溝に合わせれば、はめることができるのです。

はまった状態では、なかなか分かりづらいですよね。

この作業については、BMWの純正テスター内の資料を調べても、ここまで細かく記載されていませんでした。

まあ~、輸入車の整備資料って、ほとんど「ザックリ」と記載されているだけなので、日本車の整備マニュアルに慣れている方だと、かなりパニックになりますよね。

それだけ日本車の整備マニュアルはメカニックに親切に、丁寧に対応してくれているのです。日本の自動車メーカーさん、ありがとうございます。

またネットで、こういった作業情報を公開して下さる業者さんがいて下さるので、弊社も大変助かっております。

今後も宜しくお願い致します。

あんまり気が付かないですが。

最近、燃費向上のために「アイドリングストップ機能」を搭載している車両が増えています。

メルセデスベンツという輸入車メーカーでも例にもれず、増えています。

でも名称が違っていて、メーカー名称では「ECOSTOP(エコストップ)」といいます。

エコストップが作動する場合、色々な条件があります。

例えば、エンジン水温が一定以上ある事。

ドアが開いていない事。

関連部品に故障が無い事など。

毎日、乗っている方で、ふと「そういえば最近、エコストップしないな」 気が付いた方はいませんか?

それって、もしかすると「バッテリー」が原因かもしれません。

実はメルセデスベンツの車両には、エコストップしない原因をモニターしているコントロールユニットがあります。
そしてメーカー純正のテスターだと確認する事が出来るようになっています。

それがこちら↓↓↓

こちらは、フロントシグナル検知制御モジュール(通称、フロントサム)の実測画面です。

そして、よく見ると

↓↓↓

こんな風に表示されています。

凄い!頭いい‼と、思いますよねぇ~。

現在の車というのは、1台に何台ものパソコンを載せて走っているような状態なので、かなり高性能に作られています。

そして、そのバッテリーの良否判定もしてくれます。

「特殊作業」という項目があり、点検すると

↓↓↓

このように「交換」が指示されました。

その後、バッテリーを交換すると上記の表示が無くなり、エコストップ機能が復活していました。

こちらの不具合は、メーターなどに一切、表示されませんので、テスターを持っております修理工場へ持ち込まないと判断出来ないようになっています。

残念ながら、どこでもという訳ではなりません。

最近、「あれ?」「何か、いつもと違う!」など気が付く事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お待ちしております。

結構、大変でした(泣)

先日、ベンツCクラス(W204)でコマンドコントローラーが使用出来ないという事で入庫がありました。

「コマンドコントローラー」とはナビゲーションのモニター画面を操作するものです。

場所はセンターコンソールに取り付けられています。

取り外そうと思い、ここまで分解。

↓↓↓

↑↑↑

実はシフトレバー横を通る、この配線がコンソール内で固定されているため、センターコンソールを取り外さないと取れてこないのです。

そして、この配線。

↓↓↓

どう固定されているかというと…

↓↓↓

このようになっているため、簡単には外れてこないのです。見方を変えると、ここを固定しなければ、センターコンソールを外さなくてもコマンドコントローラーを取り外す事が出来るのです。

ようやく外れましたコマンドコントローラー

この内部にあるシャフトがプラスチック製のため、劣化破損して動かなくなるのです。

それがこちら↓↓↓

左側にあるアルミ製のものに交換します。

でも、このシャフトを交換するために、コマンドコントローラーを分解するのですが…

ここまでバラバラにするのです(泣)

いやあ~、思っていた以上に大変で、神経を使う作業でした。

本来であれば、アッセンブリ交換で部品代だけで約5万円はします。

でも、この壊れた部品のみを交換する場合、部品代だけで数千円となります。

工賃を含めても、アッセンブリ交換の半分で済みます。

これはディーラーさんでは、なかなか対応してもらえない作業です。

お困りでしたら、是非ご相談下さい。

お待ちしております。

まだまだ現役で頑張っています!

皆様のお蔭で、弊社が設立してから50年を超えました。

出来るだけ新しいものを取り入れながら、お客様のご期待に応えられるように日々、努力しております。

でも、新しいものばかりではなく、古いものを長く使う事も心掛けております。

ちなみにこちら。

↓↓↓

「ショックアブソーバーテスター」というものです。

ショックアブソーバーの減衰状態を数値化して良否判定が出来るテスターです。

こちらはドイツ製で、もう30年近くなります。

所々、使用出来ない所もありますが、まだまだ現役です。

こちらの赤い板にタイヤを乗せて確認します。

↓↓↓

タイヤがこんな感じで乗ります。

さて、お客様から「何となく走りが変な感じがするので点検してもらいたい」と、かなり曖昧なご依頼を頂きました。

そこで、このテスターを使用して点検してみると…

上がフロント側の左右の数値。下がリヤ側の左右の数値です。

メーカーによって違いはありますが、点検した車両では70%を下回ると劣化し始めていると判断します。

そう考えるとフロントのショックアブソーバーが劣化している事が原因と考えられます。

そして交換後、点検してみると…

↓↓↓

数値的に問題なし!そして走りも問題なし!です。

古いテスターであっても、今でも現役で頑張っております。

これからも大切に使用していきたいと思います。

何かございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お待ちしております。

こんなことでも結構な音になります

最近は涼しくなってきましたので、エアコンのトラブルが大分、落ち着いてきました。

先日、リヤエアコンを使用すると、すごい音がするとの連絡を頂きました。

エアコンのトラブルは「エアコンが効かない」というものが、ほとんどで、たまに「風が出ない」という症状があります。

ですので、「音」のトラブルは非常に少ないのです。

お客様から「リヤエアコンを使用するとゴーと凄い音がする」との連絡あり。

早速、入庫して頂き、状態を確認してみました。

全体が見えるようにカバーを取り外すと、こんな感じです。

ダクトとブロワモーターを取り外して中を覗いてみます。

↑↑↑

こちらリヤエアコンのエバポレーターの部分です。

よく見ると、右下に何か付着しています…もうちょっと近づいてみると…

「スポンジ」のようなものが付着していました…

どこからきたのだろうと…ふとブロワモーターを見てみると

中に何かが⁉

スポンジの切れ端のようなものが、ブロワに絡んでいました。

リヤエアコン使用時の異音の正体は、このスポンジでした。

このスポンジが、どこから来ているのか?原因を探してみると…

よ~くよく、見てみるとブロワモーターの廻りに何かが剝がれた跡があることを発見。

そしてブロワモーターの前に何が取り付けられているかというと。

↓↓↓

カバーでした。裏返してみると。

ちょうど丸い部分がブロワモーターのところに接触する箇所です。

ここに取り付けられていたスポンジ部が劣化して剝がれてモーター内部の入り込んでしまい、モーターが回るとスポンジといえども、大きな音に変化していたのです。

こんなものでもバカには出来ませんね。

何かございましたらお気軽に相談して下さい。

お待ちしております。

必ず交換をして下さい。

突然、エンジンが 掛からなくなった という経験はありますか?

遠出をした時に、こんな症状になってしまうと本当に困ります。

弊社には年に数回、レッカー車に運搬されて入庫される車両があります。

今回、ご紹介するのは「ミニクーパー」です。

最近の車両はリヤシートの下にフューエルタンクが配置してあり、タンク上部から交換作業が出来るように設定されているため、リヤシートを外して作業を行ないます。

↓↓↓

このクッションを外すと見えてきます。

黒く丸い部分がカバーになっています。向かって右側のカバーを外すと、こんな感じに見えてきます。

この状態でイグニッションスイッチをONにした時にフューエルポンプの作動音がするか、どうかを確認します。

ここで音がしない場合、「ポンプの不具合」と判断するのは「プロ」ではありません。

この時、作動用の電源が上の写真にあるコネクター部に来ているか、どうかを確認します。ここに電源が来ている事が確認出来た時 「ポンプの不具合」と判断します。

見た目にはわかりませんが左側が不具合部品。右側が新品部品です。

そして左側のカバーを外すと…

こちら側に何があるかといいますと…

こちら「カートリッジ式」のフューエルフィルターが配置されています。この写真では上記のカバーから、あっさり外れている状態になっていますが、結構、大変です(汗)

知りたい方は「YouTube」を検索すると動画で配信してくれている方がいるので作業方法が観れます!!そちらを参考にして下さい。

そしてフィルターを外した中のガソリンが凄い事になっています!

↓↓↓

フィルターケース右側の隙間から見える茶色の部分が「ガソリン」です。フィルターを通して、ろ過されてエンジンに送られるのです。

長年の積み重ねで、こんなに黒くなってしまうのですね(汗)

右側の新品のフィルターと比べると一目瞭然ですね。

このようにフィルターケース内部もキレイに掃除して、新しいフィルターを取り付けました。

経費節減と考え、フィルター交換をしない方もいるようですが、交換せずに使用を続けた結果、再度フューエルポンプが壊れたという事例が報告されています。

愛車を長く乗るためにも、交換しておかないと、かえって嫌な目に会う事になるかもしれません。

人生も車のメンテナンスも奥が深いです(泣)

何かございましたらお気軽に、お問い合わせください。

宜しくお願い致します。

意外とわからない

先日、エンジンオイル&エレメント交換の依頼で「アウディA8」が入庫しました。

 

10年近く前の車両ですが、なかなかカッコイイですね。

 

さてエンジンルームはというと。

なんと「V10」です!

「F1 か!?」とツッコミたくなりました(笑)

さすがにエンジンルームにきっちり入っているので手を入れるスペースはありません。

 

エンジンオイルを抜き。

さて「エメレントを交換しよう」と探してみると見つかりません⁉

エンジンを上から見ても…

下から見ても…

 

と、よく探してみると…

エンジンルームの奥。

カバーを外して。

パージバルブらしき部品。

外してみたら、ありました。

ジャン♪

分からないですよ~

こんなところに隠されていたら(汗)

メーカーさん、頼みますよ!

 

さて取り外してみると↓↓↓

かなり汚れていました。

交換できて良かったです。

 

 

これからも、より多くの車と出会っていきたいと思う、今日この頃です。

何かありましたら、弊社へ。

是非、お寄り下さい。

お待ちしております。