経験がものを言うが⑤

前回から、さらに続きます!

「年式の古い車両」と「圧力が掛かるシステム」という組み合わせ。

実は、この組み合わせは、故障し始めると次から次へと、連鎖的に発生するケースが非常に多いのです。

今回も例に漏れず、そうなってしまいました(涙)

次に漏れが発生したのが…

こちら↓↓↓

ソフトトップを開いたり、閉じたりするためのシリンダー。

こちらも交換作業は非常に厄介です。

結局、またソフトトップを取り外さなくてならず…

ここからも大変です。

なぜかと言うと、リンケージの中にシリンダーが取り付けられているからです。

色々な角度で見てみましょう!

どこをどうやったら取り外しす事が出来るのか…

さすがに整備マニュアルはありませんでした。

ですが、ここは長年にわたり輸入車を整備してきた経験を活かして何とか作業を進めます!

そして、何とか「土台」となる部分を取り外し…

リンケージの中からシリンダーを取り外します。

取り外したシリンダーがこちら↓↓↓

左側が旧品、右側が新品。

メルセデスベンツというメーカーが凄い!さすが!と思う事の一つが、「メカニックによる配慮」だと思っている。

例えば、こちら↓↓↓

ホースが取り付けられる部分に番号が刻まれている。

そして、ホースの側にも、ちゃんと同じ番号が刻んである。

このように間違いを起こさないように対策されている事が多い!

他のメーカーだと、こういう事に手を抜いて、メカニックを困らせる事が非常に多いのです。

こうして間違いのないように作業を不安なく進める事が出来るのです。

そして完成!と思いきや!!

そうは問屋が卸さない!?

今度はソフトトップを閉めた時にロックするシリンダーから漏れてきました(涙)

角度を変えると↓↓↓

ロックを取り外し…

そしてシリンダーがこちら↓↓↓

これでようやく完成となります!

長年の経験を活かして、整備マニュアルが無くても、弊社では何とか正常に戻す事が出来ました。

古い年式の車両の部品は、日本に在庫が無い場合や、生産が終了しているものもあるため、順調に進んでいても時間も、費用も掛かってしまいます。

ですが、愛車として大切に乗られているユーザー様に少しでも長く乗って頂けるように最善を尽くしていきたいと思っております。

宜しくお願い致します。

経験がものを言うが④

さて、今回から交換作業に入っていきます!

前回、判明しました「ハイドロリックシリンダー」からのオイル漏れ。

前回の写真では分かりにくいようでしたので。

こちら↓↓↓

上が左側、下が右側のシリンダーです。

交換作業するには、ソフトトップを取り外さなくてはいけません。

こちら↓↓↓

ソフトトップがある時はこんな感じ。

↓↓↓

写真だけ見るとザックリと簡単に取り外されていますが…

当然、そんな簡単ではありませんよ(笑)

ソフトトップを外した状態がこちら↓↓↓

「室内パネル」「ハイドロリックライン」など、外した上で、尚且つ、一人で取り外す事が出来ない重さですので、ご注意下さい。

そして、上から見たシリンダー。

下側が見えるシリンダー。

先ずはハイドロリックラインを外しましょう!

下側の写真の方がわかりやすいかもしれませんが、金色のクリップをスライドさせる事により、取り外す事が出来ます。

そして配線やバキューム配管にうずもれているボルトを外します。

これが一瞬、分かりにくい!

こちら↓↓↓

描き分けて、探して下さい(笑)

そして外れたハイドロリックシリンダーがこちら↓↓↓

左側が不良品で、右側が新品です。

先ほど、取り外したボルトは、こんな感じで付きます。

もう少し拡大して↓↓↓

どちらかというと刺さっているような状態ですね。

さて、こうして交換作業を実施!

そしてソフトトップを取り付けて、作動を確認!!

そこで大変な事態が発生しました!?

次回をお楽しみに~(笑)

経験がものを言うが③

※先ず、掲載期間が大幅に空いてしまい、申し訳ございませんでした(泣)

 記事が完成次第、掲載致します!

 (´;ω;`)ウッ…

さて、前回からの続きです。

テスターによる診断では「電気的な故障は無い」と判断されました。

という事は「機械的な故障」という事が考えられます。

このソフトトップシステムは「油圧制御」です。

先ずは「オイル量」のチェック!

オイルのリザーバータンクはトランク内になります。

トランク内のスペアタイヤを取り除くと…

↓↓↓

この丸いカバーを取り外します。

↑↑↑

こちらがソフトトップ作動用のポンプとリザーバータンクとなります。

角度を変えて見てみると…

リザーバータンク内にオイルが入っていませんでした。

正規のオイル量が、こちら↓↓↓

ここで、ソフトトップを作動させてみるとポンプ音と共に動き出しました!

もしかしたら、オイルが少なかったのか?と思いながら…

2回、動かしたところで、また動かなくなりました⁉

再度、リザーバータンクを見てみると…

半分くらいに減っていました。

そして漏れた箇所を探してみると…

↑↑↑こちらは、左クォーターパネル内にある、ソフトトップを作動させる一番大きなハイドロリックシリンダーです。

このシリンダーから漏れている事が判明。

そして、こちら↓↓↓

右側のハイドロリックシリンダーも漏れていました!

年式の古い車両は、何があってもおかしくありませんが、左右共漏れてしまったという事は、それだけ負荷が大きいのでしょう。

と原因が判明したところで、次回から交換作業に入ります。

お楽しみに!!

経験がものを言うが②

さて今回から診断に入ります。

症状は「ソフトトップが作動しない」という状況です。

弊社が他社様と違うのが「正規」の診断システムと診断マニュアルがある事でしょうか。

まずはこちら↓↓↓

HHT(ハンドヘルドテスター)です。

そして↓↓↓

故障診断時の「正規」の診断マニュアルです。

なので弊社では、この年代のベンツで「わからない」という事は、ほとんどありません。

そして診断を進めると、ソフトトップのコントロールユニットが 1箇所スイッチの 故障を検知していました。

診断を進めるため、コントロールユニットを確認。

場所は室内の後部になります。

左側のカバーを開くと…

↓↓↓

拡大してみましょう!

こちらのコントロールユニットは「ソフトトップ」と「ロールバー」の制御をしています。

診断を進めるにあたり、「診断ボックス」「診断ソケット」というものがあるのですが、ピン番号が分かれば、診断できると判断した場合は、そのまま直接、コネクタのピン番号を確認して診断を進めます。

どういう事かといいますと…

コントロールユニットからコネクタを外した状態です。

拡大してみると↓↓↓

右下が「1番」、その上の中央が「20番」、そして右上が「38番」となっています。

そして↓↓↓

左下が「19番」、その上が「37番」、そして左上が「55番」です。

「○○番ピンと○○番ピンの抵抗値を点検」とか、「電圧を点検」という診断であれば、そのままピン番号にデジタルのテスターなどを接続して測定すれば、診断できます。

そして診断を進めた結果、スイッチに不具合は無く、故障も消去後、再入力しないことがわかりました。

さらに診断は進みます!

では次回に!!

経験がものを言うが①

最近は、どこの業界でも人材不足と言われています。

自動車整備士の業界でも同じで、古い車両を直すことが出来る整備士が減って来ています。

弊社は、どちらかというとベテラン揃いですので、最新の車両よりは古い車両の方が得意かもしれませんね。

さて今回、ご紹介いたします整備はベンツ「SL」です。

しかも「R129」と言われるタイプの車両。

「ソフトトップが作動しない」という症状で入庫。

その前に、「ソフトトップ」って、どんなものなのか!?

スイッチ一つで自動的にルーフを収納してくれるというものです。

では、どんな感じで動くのか!

見てみましょう~!

こちらがルーフ閉じている状態です。

↓↓↓

そしてスイッチをON!!

↓↓↓

まずはルーフの後ろ側が開きます。

そして↓↓↓

収納スペースのカバーが開いて!

ルーフ全体が収納スペースへ動きます!

そして↓↓↓

収納スペースにルーフが収まると!

収納スペースのカバーが閉じます!

という事で!

このように開放感のある状態になるわけです。

春先や秋頃にドライブすると、とても気持ちいいですね。

という事で、こちらは直った状態のご紹介でした。

さて次回から診断の状況を、お伝えしたいと思います。