弊社は「輸入車」を中心に整備を行っております。
いわゆる「外車」ってやつですね。
以前は「指定工場」として、メーカーさんと直接やり取りもしておりました。
その経験もあり、今では幅広く対応出来るように診断機やスペシャルツールなどを用意しております。
その中で、あまりお目にかからないのが「日本車」です。
最近は各ディーラーさんも、お忙しいようで「予約しても1ヶ月待ち」などと言われてしまい「どうにかしてもらえないか」と依頼いただきまして、整備をする事もあります。
今回、ご紹介するのは「トヨタ ヴェルファイヤ」
「雨漏れがする」という事で入庫されました。
ネットで検索すると結構ある症状のようでした。
ですが「ネットにあるから、皆同じ」という訳ではありません。
「本当はどうなっているのか」という「状況確認」が必要です。
そのため、お客様の許可を頂いてルーフライニングを取り外しました。
それが、こちら↓↓↓
弊社にも、ネット上にも「整備マニュアル」がありませんので、いやぁ~本当に、なかなか大変でした。
「エアバック」や「リヤエアコン」「リヤモニター」「サードシート」などなど、取り外すのに邪魔する部品がいっぱいありました。
ちなみに、この車両のルーフライニングを外すのは今回「初めて」です。
弊社での長年の「経験」と「ネット情報」で何とかなりました。
そして、ルーフライニングが外れた状態でシャワーテスト。
水が垂れてきました!
こちら↓↓↓
運転席の上辺りでした。
ちょっと拡大してみますと…
雫が見えますかね。シャワーテストすると、ここからジャバジャバと垂れてきました。
垂れてきたフロント側のサンルーフを取り外してみました。
ガラス付きで外れていると、わかりにくいですね。
ガラス無しの状態がこちら↓↓↓
近づいて見ると…
結構「砂」が溜まっています。
角度を変えると…
ここを掃除してきれいにしたのが↓↓↓
明らかに穴を塞いでいました。これでは、雨水がドレンへなかなか流れていかないので、雨漏れになっってしまいますね。
掃除して穴の大きさが変わりました!
これで完了!!
そして再度、シャワーテスト!!!
と思ったら…
あらっ、まだ漏れてくるぞ!?
どういうこと??
今一度、よくよく再点検…
新たな事実が判明しました。
それが、こちら↓↓↓
こちらは漏れてきた運転席上部の部分です。
そして下の写真は助手席側です。
↓↓↓
わかりやすくするために「矢印」付けてみました。
この矢印の隙間が助手席側に比べて、運転席側の方が大きくなっている事が判明したのです。
言い方を変えると運転席側のフレーム部が少し下がってしまったという事でした。
フレームが下がっている分、角度が付いてしまうので、雨の量が多い場合、対処しきれずに溢れてしまうようになっていました。
こうなった原因としては長時間、炎天下での屋外駐車によって熱変形してしまったと考えられます。
ここで、ちょっと感じたのが…
輸入車の場合、サンルーフのフレームは「スチール製」で「密閉タイプ」なので、ここからの雨漏れって、ほとんどありません。
日本車の場合、憶測ですが…経費削減や軽量化などの対策という事もあるのでしょう、フレームは「プラスチック製」。しかも、密閉タイプではなく、「雨樋タイプ」。
随分と違うもんですね。
メーカーさんによって考え方が違いますので、どちらが、お客様にとっていいのかは、筆者にはわかりません。
弊社としては、どのメーカーさんにも対応できるように今後も努力を続けたと思います。