整備日記
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エンジンの調子が悪い①
輸入車は日本車と違い、メーカーによって特徴的な「デザイン」や「乗り心地」があります。
また日本車と比べると「マイナーチェンジ」や「フルモデルチェンジ」の期間が長いため、気に入ると長く乗られるユーザー様も多いと思います。
…
以前は故障しても「新車から1年間」しか保証期間が無かったため、なかなか購入までいかなかった方でも、最近では輸入車でも保証期間が伸びて「新車から3年間保証」なんてのは当たり前になってきました。
そうは言っても、何故か不思議と壊れ始めるのは「3年過ぎた」頃になってから…
ユーザー様によっては、壊れて修理代が「数十万円」なんて高額の請求に泣いた経験があるのではないでしょうか。
特に困ってしまうのは「エンジンの調子が悪い」時。
目的地に着く事が出来ないなどのトラブルになり、仕事で使用しているユーザー様は大変ですよね。
エンジンのコンディション(調子、状態)を決める条件があります。
それは
1、よい点火
2、よい圧縮
3、よい混合気
です。
この「よい」というのは「良い状態の」と言った方が、分かり易いでしょうか。
そこで幾つかの故障事例を挙げてみたいと思います。
最初はまず「よい点火」の一つ。
スパークプラグです。
真ん中を通る「芯」に向かって火花が飛んでいるため、芯が削れていきます。
左側の新品のプラグに比べ、右側のプラグの芯が丸くなっているのが分かるでしょうか?
隙間が大きくなってしまうので火花が飛びにくく、さらに削れれば飛ばなくなる事も。
メーカーによっては「30,000㎞~40,000㎞」で交換の指示が出ているものもあります。
最近では「10万キロまでOK」なんていうのもありますが、やはり点検は必要です。
そして、これも「よい点火」には重要な部品です。
これは、スパークプラグを良い状態で点火させるための部品。
右側にあるゴツイ部品が「イグニッションコイル」で、ケーブル状になっているのが「サープレッサー」です。
最近の車は非常に性能が高いため、「1つのシリンダ」に「1つのイグニッションコイル」が装備されているケースが多くあります。
また「1つのシリンダ」に「2つのスパークプラグ」が装備されているため、2本のサープレッサーが装備されています。
どちらも「よい点火」をするためには重要な部品なのです。
以前と比べ高性能なので、輸入車とはいえ「燃費」も、かなり良くなっていますが、壊れると「高い」です(汗)
何故ならば「8気筒エンジン」の場合を考えますと一つのシリンダに…
「1つのイグニションコイル」×8 約42,000円×8個=336,000円
「2つのサープレッサー」×8=16 約8,000円×16個=128,000円
「2つのスパークプラグ」×8=16 約3,150円×16個=50,400円
なんと部品代だけで「50万円」を超えてしまいます!
こりゃ、中古で高年式の輸入車が買えちゃいますかね!?
でも、さすがに一気に全てが壊れる訳ではありません。
故障状況によっては「最低限」で修理が出来るかもしれませんので。
修理する時には、ぜひご相談下さい。
A/Tオイル漏れ
エンジンを掛けて、シフトレバーを「Dレンジ」にシフトしても、なかなか繋がらない。
また、2速から3速へシフトアップする時に、エンジン回転だけが上がって、速度が上がらないなんて経験はありませんか?
…
近年の車は「電子制御」された部品が多く使われています。
メルセデスベンツは1995年(平成7年)くらいに、「4速A/T」から「6速A/T」となり、機械的制御から電子制御に、かわっていきました。
※「A/T」=オートマチックトランスミッションの略称です。
実は、この6速A/Tには特徴的な故障があります。
それは「A/Tオイル漏れ」です。
この6速A/Tから「オイルレベルゲージ」が無くなり、オーナー様が確認する事が出来なくなりました。
A/Tオイル量を確認するには専用の「スペシャルツール」必要となります。
なので、車両を毎日、使用している場合や駐車場の地面がコンクリートでない場合など、オイルが漏れていても発見しにくく、ある日突然、A/Tが滑る症状に見舞われます。
そして修理工場に車両を入庫して、リフトアップしてみると…
左側が新品の部品で、右側が不具合部品です。
右側の赤いシールリングの部分が痩せてしまっているのが分かるでしょうか?
左側の黒いシールリングは、ちょっと「プックリ」と膨らんでいますよね。
意外にも、このちょっとした「差」でオイルが漏れて、オイル規定量以下まで低下してしまうと「A/Tが滑る」症状が出てしまいます。
でも、A/Tオイルが漏れる箇所は、この箇所だけではありません!
「A/Tオイルパン」や「フロントポンプ」なども考えられますし、高走行車両になると、内部のディスク板が摩耗して同じ症状が発生する事も!!
こうした不具合を防ぐためにも「1年に一度の定期点検」の入庫をお薦め致しています。
ドアミラーの故障点検
ヨーロッパ車と日本車を比較した時、必ず言われる事は「ヨーロッパ車は、よく壊れる」というイメージを持っていませんか?
聞くところによると、ヨーロッパには「高温多湿」という気候が無いという事や「壊れたら直せばいい」という文化が根底にあるから…らしいです(笑)
…
確かに日頃、ヨーロッパ車を整備をしていると日本車には無い壊れ方をする部分があると、感じる事があります。
例えばですが…
近年のヨーロッパ車は、日本は駐車スペースが狭い事や、デザイン性も考えて、ドアミラーが格納する車両がほとんどです。
ある時、気が付いたら…
「ドアミラーが格納/展開しない」
「ドアミラーのミラー部分が上下左右に動かない」
「ドアミラーに装着されているウインカーが点灯しない」
などの症状が発生したので、ドアミラーを分解して見ると…
ドアミラーカバーを外して…
配線の部分を、よく見てみると…
パックリとキレイに折れています。
配線のゴムの部分が硬くなってしまうみたいです。
これでは動きませんよね。
しかも、この部分の部品供給がありませんので基本的に「ドアミラー交換」になります。
部品代は、大体「5万円~6万円」くらい。そして交換工賃を含めると7万円を超えます!
(もちろんメーカーや車種によります)
10年を超える年式や高走行距離数、または屋根の無い駐車場など、色々な状況が重なってなってしまうと思います。
そこで最近、弊社では何とか配線を修理して再び、ドアミラーが使用出来るように提供しています。
是非、お問い合わせ下さい。
ブレーキパッドとディスクブレーキローター
メルセデスベンツという車のブレーキは日本車に比べると「よく効く」と言われます。
それは、素材が柔らかく、ブレーキのパッドとディスクローターが、お互いが噛み合い、お互いを削るため、効きやすいそうです。
特に高速走行時の方が体感出来ると思います。
…
新車から走行し始めて、大体「3万キロ」前後になるとブレーキパッドが減り、新車時に約13mmあったパッドも2mm程度まで減ってしまいます。
その時、ブレーキパッドにはドライバーへ注意を促すための「パッドセンサー」が取り付けられており、メーター内に警告ランプ、またはインフォメーションが常時、点灯するようになっています。
点灯してから運転状況にもよりますが、「約2,000キロ」くらいまでなら、何とか走行出来ると言われています。
ですが…
オーナーさんは皆さん忙しい方ばかり!
常時点灯していると意外に気にしなくなってしまい、つい忘れてしまう事も…
そうすると…
何か変な音がし始めて…
見てみると…
こんな状態になってしまいます!
なんと鉄と鉄が削り合うような状態です!!
もちろん効きも悪くなってきます!!!
ブレーキパッドを外してみると
左の新品と比べると一目瞭然。
結局、ディスクブレーキローター側まで傷を付けてしまったために余分な出費となってしまいます。
ブレーキパッドは部品代が約15,000円、交換工賃が約9,000円ですが…
ディスクブレーキローターは部品代が約15,000円×2、交換工賃が約16,000円となりますので
なんと「5万円弱」も余分に掛かってしまいます。(これはイタイ! 泣)
ブレーキパッドの警告ランプが点灯したら「早めに修理工場へ」お願い致します。
※部品代、交換工賃の価格はメーカーや車種によって異なりますので御了承下さい。
エアコンダストフィルターの点検
9月に入り、だいぶ涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。
そろそろエアコンを頻繁に使用しなくなり始める季節ですが、最近「風の出方が弱い」と感じる事はありませんか?
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実は、メルセデスベンツでは1995年(平成7年)くらいから、ほとんどの車両のエアコンシステムに「ダストフィルター」が装着されるようになりました。
装着されている場所が基本的に室内への入り口である事と「ブロワモーター(風を発生させるモーター)」の前にあるため、 都内などの走行を一年も続けると・・・
こんな感じに真っ黒になってしまいます!
(もちろん右側が新品の状態です)
それと同時にフィルターが詰まってくるため、風量が低下してしまうのです。
このまま続けて使用すると、モーターに負荷が掛かって、モーターが壊れてしまう恐れも!!
壊れてしまえば、余分に、かなり費用が掛かってしまいます(たしか数万円単位ですよ!!!)
皆さまの、お車は如何でしょうか?
是非、早めに点検してみて下さい。