こんな故障は初めてです①

筆者が整備士の道を歩み始めて30年を過ぎました。

最初、某日本メーカーのディーラーさんい就職して4年半。

ディーラー内で認定される1級整備士を受験するためのメンバーに選ばれた時点で退社してしまいました。

その後、輸入車の販売と整備を行う業者さんへ就職。

時はバブル崩壊後の不景気で、会社は半年で傾き、転職。

そして現在の会社に長年にわたり、お世話になっております。

筆者の仕事としては「故障診断」が中心です。

今までに色々な故障を見てきました。

今でも時々、ビックリするような故障に出会う事があります。

今回は、その中の1つの故障事例をご紹介いたします。

↓↓↓

「修理後、エンジン音が大きくなった」と苦情に近い状況での入庫。

車両はベンツのSクラス。W221タイプ。

確かにエンジン音が「ガチャガチャ」と金属音が大きくなっている感じでした。

その後、エンジンチェックランプが点灯。

テスターで診断すると…

全てのバンクのカムシャフトの故障と認識されていました。

このエンジンは状況に応じて、カムシャフトタイミングを変化させる事ができます。

実際に作動させてみると…

下のバーグラフが緑の枠の中に入ると正常なのですが、「17」という数値がら全く動きません。

この状況からみると、カムシャフトを作動させるための「アクチュエーター」が動いていない…という事になります。

では、ここで実際の状況は、どうなのかを確認してみましょう!

エンジンのエアクリーナーケースやエアダクトなどを取り外します。

↓↓↓

そしてシリンダーヘッドカバーを取り外します。

カムシャフトは、どうなっているのか…

動いていないかもしれない「アクチュエーター」というのが、こちらです。

↓↓↓

この矢印の部品の中に磁石が入っており、状況に応じて、作動します。

見た目では分かりませんので、まずは交換して見ないとわからないというのが正直なところです。

そのため、交換してみることに!

ところがです…

全く改善されず…

困りました(汗)

こうなってくると「機械的な故障」というよりも、「電気的な故障」という事でアクチュエーターをコントロールしている側の問題ではないかと考えられます。

最終的には「コントロールユニットの不具合」と判断しました。

エンジンのコントロールユニットはこちら↓↓↓

早速、交換してみた結果はどうでしょうか!?

次回に続きます!

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