結構、変わります。

自分で購入して日頃、使用している車両を大事にするお客様が、ほとんどです。

そして、そのほとんどのお客様は、そのまま使用しています。

言い換えると、購入後、その車両をいわゆる「イジる」方は少なくなってきました。

例えば…

・フロント、リヤスポイラー

・サイドステップ

・ダウンサス

・マフラー

などです。

ほとんどの方は、満足された状態で購入しているという事なのでしょう。

ですが中古車として購入した場合、自分の「こだわりたい」という想いを持っている、お客様もいらっしゃいます。

先日、「サスペンションを変えたい」とのご依頼を頂きました。

部品は持ち込みです。

早速、作業掛かりました。

こちらはリヤ側となります。

そして分解します。

交換したいと依頼を受けたのが、こちら↓↓↓

「コイルスプリング」です。

よく見ると、全長は変わりませんが、コイルの巻き方が違います。

上側が狭くなっていて、下側が広がっていますね。

これでどんな変化があるでしょうか…

そして、こちら↓↓↓

こちらはフロント側になります。

フロント側は、取り外す作業は、なかなか大変でしたね。

こんな感じにバラバラになります。

こちらも全長は変わりませんが、コイルの巻き方が違います。

フロント側は上側が広がっていて、下側が狭くなっています。

どんな変化があるのでしょうか…

こんな感じです。

こちらはフロント側。

↓↓↓

そして、リヤ側。

↓↓↓

車高が下がりました。

チラッと白いコイルスプリングが見えるのが、ちょっとカッコイイなと感じてしまうのは私だけではないと思います。

コイルスプリングの形状が変わるだけで、こんな変化があるんですね。

こういうやり方があります!

現在、新車として販売されている車両の、ほとんどはメーカー専用に診断機が用意されています。

そして、その診断機でないと正確な診断やトラブルの解消が出来ないようになっています。

特に最近では、「パーキングブレーキ」が電子制御化されているケースが多く、そのためブレーキパッド交換やオイル交換の作業をする過程で、そのメーカーの専用診断機が必要となるのです。

その診断機を持っていない整備工場では作業が出来ないというケースが増えつつあります。

特に輸入車は当たり前のようになっています。

その狙いとして当然ですが、新車を販売されているディーラーさんの、お客様が他社へ流れる事を防止する効果がありますし、一時的にお客様が離れたとしても「整備が出来ない」という事で戻ってくる事も考えられます。

そんな中で、診断機がなくてもブレーキ交換が可能にしてくれているメーカーがあります。

それは「メルセデスベンツ」です。

さすが!ベンツです!!

早速、ご紹介させて頂きましょう!!!

まずは、こちらはリヤのブレーキキャリパーです。

角度を変えると…

矢印の部分がサイドブレーキ用のモーターになります。

このモーターの位置を取り外す事が出来るような位置、ベンツ用語で言う「作業ポジション」まで移動させないと、キャリパー内部のピストンがブレーキパッドを押したままになってしまい、取り外す事が出来ないという事です。

では、「作業ポジション」にするための手順をご紹介いたします。

と、その前に!

「イグニッションスイッチ」には4段階の位置があります。

メーカーによって呼び方が違います。

例えば…

「0」 ― 「1」―「2」―「3」

「0」―「15」―「30」―「51」

「OFF」―「AC」―「ON」―「START」

など、というような表記があります。

言い方変えると

「IGOFF」―「AC」―「IGON」―「スターターON」

という方が分かりやすいですかね。

手順を進めるうえで一番、最初の条件が「AC」位置にする事なのです。

この条件を忘れないで下さい。

そして次の条件がメーター内の表示を「総走行距離」表示にする事です。

それがこちら↓↓↓

この状態からハンドルにあるボタンを操作します。

車種や世代によって違いますので、ご注意ください。

古いタイプの場合は「通話開始ボタン」と「OKボタン」を。

新しいタイプの場合は「メインメニューボタン」と「OKボタン」を押します。

今回、紹介するのは中間のタイプです。

それがこちら↓↓↓

ハンドルの横にある「通話開始ボタン」のレバーを上側に押したまま「フィンガーナビゲーションパッド」を押します。

この 「フィンガーナビゲーションパッド」 とは、左右の上側にある、黒い四角いボタンです。

※以下「フィンガーパッド」と表記します。

そうすると約5秒後に、こうなります。

↓↓↓

これを「ワークショップメニュー」画面と言います。

拡大してみると…

「車両データ」「ダイナモテスト」「ブレーキパッド交換」「メンテナンス」という項目が表示されます。

※今回は個別の詳細の説明は省かせて頂きます。

この画面の 「ブレーキパッド交換」 の項目へと「フィンガーパッド」でスクロールさせて、押して確定させます。

そうすると、こんな感じになります。

↓↓↓

この画面と同時に、リヤブレーキからモーター音が聞こえます。

そうすると↓↓↓

この画面表示の状態になると作業が開始出来ます。

ここでイグニッションオフ!

そうすると↓↓↓

こうしてブレーキキャリパーが取り外せます。

ブレーキパッド交換後、逆の手順で元に戻します。

たかがブレーキパッド交換ですが、今後、新しい車両では必要になる作業となっていくのではないでしょうか。

今後、車が進化する度に新しい作業を覚えていかなくてはなりません。

弊社としても勉強を続けて参ります。

ご紹介出来る事があれば、情報を共有していきたいと思います。

宜しくお願い致します。

これはシステム用語なのか⁈

今は当たり前になりましたが、自動車のドアをロック、解除したりするのは手動ではなく、赤外線やFM電波を使用してリモコン操作で行っています。

そして、ほとんどのメーカはドアロックを作動させる部品に「電磁モーター」を使用して作動させています。

そんな中で平成12年(西暦2,000年代)くらいまで、バキュームポンプを使用していたメーカーがあります。

それは「メルセデスベンツ」です。

バキュームポンプは電磁モーターに比べると、作動音が限りなく小さく、高級感があります。

電磁モーターは作動させると「ガッシャン!」「ガッシャン!」と大きな機械音がしますからね。

但し、デメリットがあって、ドアロック用に取り付けられている「エレメント」と言われる部品の内部は「ゴム製」のため、劣化すると漏れてくるのです。

そのため、バキュームポンプのユニットが「システムの圧力が上昇しない」と判断して過剰に何度もポンプを作動させてしまい、最悪の場合、内部でポンプが焼き付いて動かなくなってしまいます。

結果、かなりの高額費用になります。

実は、このような故障事例が結構、多いのです。

そのため、漏れている箇所を特定する事が、とても大切です。

バキュームポンプが壊れているからと、そのまま交換しても、また壊れてしまいますから。

そのバキュームポンプが配置されているのは、トランクルーム内が多いです。

こちら↓↓↓

ちなみに、この車両はメルセデスベンツSクラス(W220)です。

拡大してみると…

プラスチックのホースが何本も取り付けられています。

では、バキュームポンプを外してみましょう!

バキュームホースが取り付けられていた箇所を、よく見てみると…

アルファベット表記が刻印されています。

それは全て意味があり、バキュームホースが、どこの部品に接続されているかを示しています。

例えば、こちら↓↓↓

「SK」と表記があります。

これは「ベントライン」。

バキュームポンプによって発生した空気圧を逃がすラインです。

そして次!

「KAF」と表記されています。

これは「リヤシートヘッドレスト」です。

この車両はリヤシートのヘッドレストをバキュームで操作さているのです。

そして次!

「HECK」と表記されています。

これは「トランクドア」です。

そして次!

「TD」と表記されています。

これは「ガソリン給油口のフラップ」です。

ちなみに…

「FoR]は「右リヤドア」

「FoL]は「左リヤドア」

「BFT」は「右フロントドア」

「FT」は「左フロントドア」です。

ちなみに、この表記。

ドイツ語の略称かと思っていましたが…

「右」は「Rechts」。「左」は「Links」。

「前」は「vorhergehend」。「後ろ」は「hinter」。

なので、ドイツ語や英語でもないようです。

そして最後に…

「MKL」と表記されています。

これは「フロントシート」です。

フロントシートに内蔵されている「エアークッション」を作動させています。

弊社の経験では、ここのシステムが漏れているケースが結構、多いですね。

漏れている箇所が音を出してくれていたら、とても分かりやすいですが、全般的に音が 確認出来ないケースが 大半です。

また、バキュームホースはプラスティック製のホースなので、途中で曲がって、折れて、ホースが切れているケースもあります。

以上、各表記の説明をしましたが、車両の状況によっては「誤接続」されていたケースもあります。

「きっと、ここだろう!」と思い込むと、 思わぬ落とし穴がハマってしまうかもしれません。

故障診断は、急がず、丁寧に行いましょう!

持ち込み部品の難しさ

最近はインターネットで何でも買い物ができるため、わざわざ店舗に足を運ばなくてもいい時代になりました。

自動車業界も例に漏れず、新車の購入から保険まで、全てインターネットで出来るようになっています。

そこで最近、増えているのが、お客様からの「部品の持ち込み」での部品交換作業です。

インターネットで自分の車の部品を購入して、交換作業は自分では出来ないので、お願いしたいと依頼を受けます。

弊社ではお受け致しますが、ディーラーさんのような大きな業者さんでは断られる事もあります。

何故かと言うと、手間がかかる事があるからです。

以前、こんな事がありました。

お得意様からのご紹介という形で入庫された、メルセデスベンツEクラス。

自分で交換しようと部品を購入したものの、作業手順がわからないため、お願いしたいという事で入庫されました。

作業はフロントブレーキパッドとディスクブレーキローターの交換。

早速、作業を進めました。

取り外したブレーキパッドがこちら↓↓↓

パッドセンサーに接触するギリギリの状態です。

そして、ディスクブレーキローター。

少し拡大してみて…

まずまずの減り具合です。

ここで、ちょっと気になった事を発見しました!

それがこちらです!!

↓↓↓

約2mmくらい高さが違います。

角度を変えると…

明らかに違いますよね(汗)

念の為、取り付けてみました。

↓↓↓

キャリパーを取り付けると…

見た目は大丈夫ですが、角度を変えると…

そして拡大してみると…

思いっきり当たっています。

これでは、ローターは動きません(涙)

そして、ローターを旧部品に戻すと…

明らかに部品の形状が違う事が分かりますね。

そして、お客様が購入したお店へ連絡。

お店からは「間違った部品は出していない!」と言われ、「サイズを測れ!」と指示が出まてきす。

困っているお客様のサポートをしながら、何とかディスクブレーキローターは返品する事となりました。

結局、「ブレーキパッド交換のみ」という事となり、作業を終えました。

お客様から部品を持ち込んで頂きましたが…

・ディスクブレーキローターを新品と旧品の2度、交換作業を行った事。

・お店の指示に従って、部品形状の測定を行った事。

これは弊社に責任はありませんが、以上の行った事を、まるまるお客様へ請求する訳にもいきません。

こういうリスクがあるため、部品を持ち込んでの作業というのは、あまり好かれる作業ではないのです。

そのため、ディーラーさんなどでは最初から「お断り」としている所が多くあるのです。

状況によっては、弊社でもご遠慮いただく場合があります。

先ずはお問い合わせください。

宜しくお願い致します。