現在、新車として販売されている車両の、ほとんどはメーカー専用に診断機が用意されています。
そして、その診断機でないと正確な診断やトラブルの解消が出来ないようになっています。
特に最近では、「パーキングブレーキ」が電子制御化されているケースが多く、そのためブレーキパッド交換やオイル交換の作業をする過程で、そのメーカーの専用診断機が必要となるのです。
その診断機を持っていない整備工場では作業が出来ないというケースが増えつつあります。
特に輸入車は当たり前のようになっています。
その狙いとして当然ですが、新車を販売されているディーラーさんの、お客様が他社へ流れる事を防止する効果がありますし、一時的にお客様が離れたとしても「整備が出来ない」という事で戻ってくる事も考えられます。
そんな中で、診断機がなくてもブレーキ交換が可能にしてくれているメーカーがあります。
それは「メルセデスベンツ」です。
さすが!ベンツです!!
早速、ご紹介させて頂きましょう!!!
まずは、こちらはリヤのブレーキキャリパーです。
角度を変えると…
矢印の部分がサイドブレーキ用のモーターになります。
このモーターの位置を取り外す事が出来るような位置、ベンツ用語で言う「作業ポジション」まで移動させないと、キャリパー内部のピストンがブレーキパッドを押したままになってしまい、取り外す事が出来ないという事です。
では、「作業ポジション」にするための手順をご紹介いたします。
と、その前に!
「イグニッションスイッチ」には4段階の位置があります。
メーカーによって呼び方が違います。
例えば…
「0」 ― 「1」―「2」―「3」
「0」―「15」―「30」―「51」
「OFF」―「AC」―「ON」―「START」
など、というような表記があります。
言い方変えると
「IGOFF」―「AC」―「IGON」―「スターターON」
という方が分かりやすいですかね。
手順を進めるうえで一番、最初の条件が「AC」位置にする事なのです。
この条件を忘れないで下さい。
そして次の条件がメーター内の表示を「総走行距離」表示にする事です。
それがこちら↓↓↓
この状態からハンドルにあるボタンを操作します。
車種や世代によって違いますので、ご注意ください。
古いタイプの場合は「通話開始ボタン」と「OKボタン」を。
新しいタイプの場合は「メインメニューボタン」と「OKボタン」を押します。
今回、紹介するのは中間のタイプです。
それがこちら↓↓↓
ハンドルの横にある「通話開始ボタン」のレバーを上側に押したまま「フィンガーナビゲーションパッド」を押します。
この 「フィンガーナビゲーションパッド」 とは、左右の上側にある、黒い四角いボタンです。
※以下「フィンガーパッド」と表記します。
そうすると約5秒後に、こうなります。
↓↓↓
これを「ワークショップメニュー」画面と言います。
拡大してみると…
「車両データ」「ダイナモテスト」「ブレーキパッド交換」「メンテナンス」という項目が表示されます。
※今回は個別の詳細の説明は省かせて頂きます。
この画面の 「ブレーキパッド交換」 の項目へと「フィンガーパッド」でスクロールさせて、押して確定させます。
そうすると、こんな感じになります。
↓↓↓
この画面と同時に、リヤブレーキからモーター音が聞こえます。
そうすると↓↓↓
この画面表示の状態になると作業が開始出来ます。
ここでイグニッションオフ!
そうすると↓↓↓
こうしてブレーキキャリパーが取り外せます。
ブレーキパッド交換後、逆の手順で元に戻します。
たかがブレーキパッド交換ですが、今後、新しい車両では必要になる作業となっていくのではないでしょうか。
今後、車が進化する度に新しい作業を覚えていかなくてはなりません。
弊社としても勉強を続けて参ります。
ご紹介出来る事があれば、情報を共有していきたいと思います。
宜しくお願い致します。