いつかの通る道

最近の高級車には「エアサスペンション」を搭載している車両が一般的になってきています。

そして結構、長く乗る方も増えてきています。

そのため初年度登録から10年。または10万キロくらい走行すると大体、不具合が出て来ます。

これからご紹介するのはメルセデスベンツのSクラスで「W220」というタイプ。

駐車中にフロント側の車高が低下するという症状で入庫しました。

見た目にわかりにくいので近づいてみますと。

さらに拡大!

エアサスペンションの下部に取り付けられているゴムの部分(黒い部分)が、少し下方にずれているのがわかります。

そして新品の部品と比べてみましょう!

取り外してみると一目瞭然です。

真ん中のグレーの筒の部分が空気のタンクの役割をしており、空気を挿入した量だけ上昇し、空気を抜いた分だけ低下する構造です。

経年劣化により、ゴムの部分がずれて、外れて、中の空気が抜けて、車高が低下してしまうのです。

ついでに次の世代も見てみましょう!

これからご紹介するのはメルセデスベンツのSクラスで「W221」というタイプ。 「W220」の次の世代のSクラスです。

こちらも同じ症状です。

サスペンションの形状はちょっと変わりますが…

取り外してみるとこんな感じです。

より拡大すると…

角度を変えてみますと…

世代が変わっても基本的な構造は、あまり変わっていくいませんね。

走行距離数を重ねて行けば、必ず通る修理です。

輸入車であれば、大体「30万円」くらいは覚悟して下さい(汗)

ですが、そこはご相談に乗ります!

気軽にお問い合わせください。

お待ちしております。

まだまだ現役で頑張っています!

皆様のお蔭で、弊社が設立してから50年を超えました。

出来るだけ新しいものを取り入れながら、お客様のご期待に応えられるように日々、努力しております。

でも、新しいものばかりではなく、古いものを長く使う事も心掛けております。

ちなみにこちら。

↓↓↓

「ショックアブソーバーテスター」というものです。

ショックアブソーバーの減衰状態を数値化して良否判定が出来るテスターです。

こちらはドイツ製で、もう30年近くなります。

所々、使用出来ない所もありますが、まだまだ現役です。

こちらの赤い板にタイヤを乗せて確認します。

↓↓↓

タイヤがこんな感じで乗ります。

さて、お客様から「何となく走りが変な感じがするので点検してもらいたい」と、かなり曖昧なご依頼を頂きました。

そこで、このテスターを使用して点検してみると…

上がフロント側の左右の数値。下がリヤ側の左右の数値です。

メーカーによって違いはありますが、点検した車両では70%を下回ると劣化し始めていると判断します。

そう考えるとフロントのショックアブソーバーが劣化している事が原因と考えられます。

そして交換後、点検してみると…

↓↓↓

数値的に問題なし!そして走りも問題なし!です。

古いテスターであっても、今でも現役で頑張っております。

これからも大切に使用していきたいと思います。

何かございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お待ちしております。

確実に改善されています。

最近の車はオートマチックトランスミッション(A/T)がほとんどで、マニュアルミッション(M/T)は商用車以外、あまり見なくなりました。

最初の頃のA/Tは1速から4速までしかありませんでしたが、段々と高速走行が可能になり、現在では9速なんていうA/Tも搭載されている車種もあります。

最近のA/Tの故障は機械的な故障は、かなり少なくなってきました。技術や品質の向上が大きく貢献していますが、「電子制御」によって機械的な負荷がすくなくなった事もあると思います。

細やかな制御をする分、壊れてしまう箇所は「電気的」な部分になってしまうのかもしれません。

メルセデスベンツの7速A/Tは、ほとんどの場合、10万キロ走行するまでに一度は壊れる箇所があります。

それは内部にある「スピードセンサー」です。

実際の部品を見ていただきましょう~!

こちらはA/Tのオイルパンです。

↓↓↓

↑↑↑

ここに見えるのが「バルブボディ」と言われる部品です。この部員は機械的にシフトアップ&ダウンなどが制御されています。この部品の上に取り付けられています。

左側が「バルブボディ」。右側は「エレクトリカル・ハイドロリック・コンポーネント」と言われる部品で、「基盤」なんて言う事もあります。この部品がバルブボディを電気的に制御しています。

左側が「不具合品」。右側が「新品」

そして故障する内部スピードセンサーがこちら↓↓↓

真ん中の丸い部分がスピードセンサーになります。

新品の部品を見てみると…

↑↑↑

このように形状が変更され、改善されています。

でも、ここまではっきりと変更されたと分かったのは最近です。以前は、ほんとんど変わらない形状のままでした。

きっと製造メーカーさん側も試行錯誤していたのだと思います…

これからも、より良く改善していって下さい。よろしくお願いいたします。

こんな故障もあるんです

今回は故障事例をご紹介します。

 

先日、お客様から

「黄色い三角のビックリマークが点滅して、40キロ以上にの速度にならない」

という症状で修理依頼を頂きました。

 

車両が入庫したので、まずはテスターで故障診断。

点検してみると故障メモリの入力は無し。

実際に走行しながら、実数値を見ると「左後ろ」の数値が異常に変化する事が判明。

 

早速、左後ろ廻りを点検!

見た目には、何も問題ありません。

では、取外してみます。

この状態でも、問題は無さそうです。

 

そこで「車速センサー」の部分はどうなっているのかと思い、取り外して、中を覗いて見ました。

何か光っている部分がありますね。

怪しい…です(汗)

センサー側を見てみると…

何となく、接触しているような…

とりあえず「ドライブシャフト」を外してみました。

よく見ると…

より拡大して、見方を変えてみると

この溝の部分の変化で車速信号を発生させているのです。

ホント、凄い状態です!?

「サビ」が酷くて、膨らんでしまっているみたいですね(汗)

これによって、センサーを削ってしまい、正確な信号が出せなくなってしまったのでしょう。

 

新品と比べてみましょう。

やはり違います。

こちらも↓

比べてみると、一目瞭然ですね。

ドライブシャフトを取り付けて、中を覗いて見ました。

これで大丈夫ですね!

この後、走行テストをしても症状は発生しませんでした!!

これにて修理完了です!!!

 

いやぁ~、こんな事もあるんですね~。

故障の原因として考えられるのは…

・長期保管

・沿岸部に近い場所での保管

・材質の不具合

といったところでしょうか。

 

勉強になりました!

御依頼頂きました、お客様!!

有難う御座いました!!!

 

また何かありましたら、お待ちしております。

足廻り異音の故障事例

我々、整備士として「一番難しい」と言える修理は「音」による不具合です。

何故かというと音は「響く」からです。

運転席では右の前から聞こえても、実際には右の後ろから音がしていたなんて事が、よくあります。

まして、この音の修理の場合、ほとんどが動いている時にしか、音が出ない場合が多いのです。

特に見た目は「何ともない」となると、故障個所を特定するのは難しく、時間が掛かります。

10年、20年と経験しても、なかなか難しいのです。

ここで「音」による修理で特徴的な事例を御紹介しましょう。

お客様から

ハンドルを回すと「ギーギー」と音がする。

段差を乗り越える時に「ギーギー」と音がする。

ブレーキを踏んだ時にも「ギーギー」と音がする。

という症状で入庫。

確認すると確かに「ギーギー」と大きな音がしています。

ハンドル回すと音が出るという事は「ステアリング」?

段差を乗り越えると音が出るという事は「ショックアブソーバ」?

ブレーキを踏むと音が出るという事は「ブレーキ」?

さて、どれが正解か?

リフトアップして点検しても「音」は出ません。

ですが、リフトから降りると「音」は出ます。

という事で「アライメントリフト」と言って、タイヤを浮かせず、そのままの状態で車両を上げられるリフトで上げて点検してみると「音」が確認出来ました。

正解はここでした。
自動代替テキストはありません。
右フロントのロワーアームとナックルの接続部にある「ボールジョイント」と言われる部品です。

ここの内部に潤滑剤のようなものを注入すると一時的に音が消えます。

ボールジョイントは内部にグリスという半固体状の潤滑剤が入っています。

そのグリスを保護するためのゴム製のブーツが劣化して、亀裂が入り、内部のグリスが飛び出して、潤滑不良となって音が発生してしまうようです。

なので一時的なものでは対応が効かなくなった場合は交換するしかありません。

 

自動代替テキストはありません。

見た目からも分かるように簡単には外れません。

バラバラになったのが、こんな感じです。

自動代替テキストはありません。
これだけ外して、ようやく見えてくる部品なのです。

ここまででも結構、大変な作業なんですけど(汗)

そして外れた部品がこれ。

 

自動代替テキストはありません。

これがボールジョイントです。
この部品から音が出ている事を突き止めるまで、かなり時間が掛かりました。

こんな事例もありますので、ご参考までに。

外すには特殊な工具が必要となるので、どうしても請求金額が高くなってしまいます。

残念ですが個人で出来る作業ではありませんので、チャレンジはお薦め出来ません!

是非、弊社へご依頼下さい!!

お待ちしておりま~す。