なかなか大変な作業でしたPart2③

前回の更に続きとなります。

こちらが取り外す事が出来た「パティキュレートフィルター」です。

最終的には、どうやって外せたかというと…

ディーラーさんが言っていた「上から取り外す」事は出来ませんでした(泣)

何故かというと、このフィルターの大きさから分かるように、そんな「スペース」ありません!

では、どうしたかというと…

答えはこちら↓↓↓

サブフレームと一緒にエンジン降ろしました(汗)

パティキュレートフィルターの状態がこちら↓↓↓

まず、ターボチャージャーが外れないんですよね(汗)

作業マニュアルにも、そう記載されてはいるんですが…

当然、この状態でエキゾーストマニホールドは外れませんので。

結果として、エンジン降ろさないとダメって事になった訳です。

パティキュレートフィルターが外れた状態がこちら↓↓↓

この状態でエンジンルームに戻すと、こうなります。

ドン!↓↓↓

これじゃ、パティキュレートフィルターが上から出てくる訳が無いですよね。

ちなみに上側の部分が触媒で、下側の部分がパティキュレートフィルターとなります。

裏返してみると分かりやすいでしょうか。

見ての通りですが、左側の矢印のパイプが入口側。

右側のパイプが出口側になっています。

両方のパイプの先にはプレッシャーセンサーが配置されていて、フィルター内部の詰まり具合を監視しています。

それに反応して、このような警告メッセージを点灯させるのです。

この後、取り外したパティキュレートフィルターは、修理してくれる業者さんへ。

パティキュレートフィルターが戻って来て、組み上げて完成です。

エンジン掛けた後↓↓↓

警告メッセージは点灯しなくなりました。

なかなか大変な作業でした。

ディーゼルエンジンを載っている方は、いつか必ず出会う修理です。

決して安くはない修理ですので。

ご覚悟下され~(汗)

※注意!

ここに掲載致しました、パティキュレートフィルター本体の修理に関しては、弊社が直接、依頼した訳ではないため、申し訳ございませんが、お問い合わせ頂いても回答は出来ません。

インターネットなどを活用して、お住まいに近い業者さんを探して頂き、直接ご相談下さい。

なかなか大変な作業でしたPart2②

さて、前回の続きとなります。

この「パティキュレートフィルター」を取り外すために、これから試行錯誤していきます。

エンジンルーム内には色々と外す部品が多く、横からホースが後ろへ回っていたり…

例えば、こちらはEGRバルブになります。

ちなみに、これを外しますと…

そして中の覗くと…

ススが溜まっています。

EGRバルブを外してみても…

最終的には作動が鈍くなり交換となりました。

ディーゼルエンジンというのは、走行距離を重ねていくと、かなり汚れがひどくなっていきます。

こちらはインテークマニホールド↓↓↓

中を見てみると…

拡大してみましょう。

入口側を見てみても…

こちらはスロットルバルブ↓↓↓

凄いですよね(汗)

でも、この汚れ方だはディーゼルエンジンだからというよりも、ターボチャージャーからのオイル漏れが混入している可能性がありますかね。

しかし掃除をすれば結構、綺麗になります!

こちら↓↓↓

エンジンルーム側も、色々と外して、下側も外しています。

エキゾーストパイプだったり、遮熱版だったり…です。

試行錯誤した結果!ようやく外れました!!

それがこちら↓↓↓

さあ、どうやって外れてきたか、わかりますか?

その答えは次回に続きます。

お楽しみに!

なかなか大変な作業でしたPart2①

弊社では個人のお客様だけではなく、自動車の販売のみで営業されている方や、同じ整備をされている方からも、仕事の依頼を受ける事があります。

また、ある程度まで他の業者さんで診断、整備をした後、弊社に整備の依頼をされる方もいらっしゃいます。

先日、「パティキュレートフィルターを交換してほしい」との依頼がありました。

「パティキュレートフィルター」とは簡単に言うと、ディーゼルエンジンから排出されるガスを浄化する装置の事です。

ディーラーさんで診断して「交換しないとダメ」と判断されたそうで、交換すると高額なため、部品を取り外して、修理したいとの事。

早速、車両が入庫↓↓↓

車両はBMW MINIのクロスオーバー。

車両を見てみると…

エンジンを掛けると、フィルターのようなマークが点灯。

パティキュレート フィルターが、どこにあるのか…

エンジンレームを点検。

下廻りから見ると…

無い…(汗)

と思いながら後ろ側へ移動すると…

ありました!!

矢印の部品が 「パティキュレート フィルター」 です。

ちょっと角度を変えてみると。

ゴールドに輝く(!?)フィルターが見えます。

ディーラーさんからは「上から引き抜いて取り外す」とのアドバイスがあったという事で再度、エンジンルームへ。

エンジンカバーを取り外して…

見えてきましたが…

どう見ても上から外れる気がしないのですが…

角度を変えて見ても↓↓↓

とにかく外せるものは外していきましょう。

という事で、ここまで外しました。↓↓↓

ようやく、ここまで見えてきました。

これを横から見ると…

まだ取り外す事が出来るのか不安ですが…

今度は接続されている部品などを中心に、邪魔になる部品を外していきます。

ここからが、なかなかの作業になりました。

次回へ続きます。

コンマ何ミリの世界

一昔前、純正品以外に選択肢が無かった時は、輸入車を維持するのは本当に大変な事でした。

最近ではエンジンオイルのフィルターやワイパーブレード、ブレーキパッドなどの消耗品には社外品として、純正品よりも安く提供してくれる部品メーカーさんがあり、輸入車を維持するのに貢献しています。

その分、困った事もあります。

先日、お客様より「何度、交換しても直らない」という事で修理の依頼を受けました。

細かく確認して見ると、エンジンのベルトが切れて、アイドラプーリーも同時に交換しているが、すぐにベルトが切れてしまうとの事。

早速、エンジンルームを点検。

よく見ると…

エンジンのベルトの一部が切れています。

どうなっているのかを確認するため、取り外してみました。

↓↓↓

結構ひどい状態です。

何で、こんなになってしまうのか…

よーく、エンジンのベルト周りを確認。

ウォーターポンプ、オールターネーター、エアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプなど…

特にガタや、単体での回転に違和感はありません。

アイドリング状態で確認してみると微妙にぶれる部品がある事を確認。

それは「アイドラプーリー」です。

左側が社外品。右側が純正品。

裏側も見てみると…

見た目ではわかりません。

でも真ん中のボルトを上下左右に動かしてみるとハッキリ違いが分かります。

社外品の方が「ガタ」が大きいのです。

純正品を取り付けて再度、確認。

回り方にブレは無く、綺麗に回転しています。

これでベルトが切れる事は無くなりました。

社外品のすべてが「安かろう悪かろう」ではありません。

でも、たまにあるのは事実です。

製造工程で組付けた状態で1ミリも無いくらいの誤差で、こうなります。

特に安い部品を個人で購入して、持ち込まれるお客様。

気をつけようもない場合もあります。

その時は弊社へご相談下さい。

お待ちしております。

やってしまいました。

久しぶりに「やってしまった」お話。

先日、エンジンが突然、バタバタして走れなくなってしまうので点検してほしいとの依頼を受けました。

車両は「アウディA7」

入庫時、エンジン不調の症状は無かったものの、エンジンチェックランプが点灯。

同時に「EPC」ランプも点灯していました。

こんな感じです↓↓↓

早速、診断機を接続しました。

すると…

この「シリンダー3,ミスファイヤー検出」という故障メモリをみて、すぐに考えたのが…

この症状に、この故障メモリの定番中の定番。

「イグニッションコイルの不具合」で間違いないだろうと判断。

見積書を作成して、お客様に連絡。

作業を進める了解を頂いて、部品を注文。

部品が入庫したところで、作業を進めました。

エンジンはこちら。4気筒エンジンです。

部品を取り外してみると…

左側に比べて、右側の部品の先の部分がオイルで濡れています。

全部のイグニッションコイルを取り外して、よく見てみると…

ちょっと拡大してみましょう。

こちらのシリンダーは綺麗になっていますが。

となりのシリンダーには、オイルが溜まっています。↓↓↓

実は、これが不具合症状の原因ではないか!

このままでは、ミスファイヤーが発生しやすい状態なので、念の為、スパークプラグも点検。

こちら↓↓↓

右から1番、2番、3番、4番シリンダーです。

1番シリンダーが一番ひどかったものの、2番シリンダー以外はオイルがたまっていた事が判明しました。

上記の写真では、取り外す際、拭き取ってしまったので、ちょっと分かりづらいかもしれませんが…

そのためスパークプラグとプラグホールも同時に清掃してから取り付け。

イグニッションコイルも掃除をして取り付け。

走行テストをして、特に問題無し!と思っていたら…

エンジンの水温が90度くらいになった時、突然、エンジン不調発生。

今度は「EPC」ランプのみ点灯。

ちょっとピントが合っていませんが…この時はエンジンチェックランプは点灯しませんでした。

どういう事なのか?と、再度、診断機を接続。

故障メモリは同じ「 シリンダー3,ミスファイヤー検出」の状態。

そして実測値をみると…

3番シリンダーのミスファイヤーがカウントされています。

頭の中で色々と考えが巡ります。

「イグニッションコイル以外に何があるのか…」

「実はスパークプラグに不具合があるのでは…」

「もしかしたらエンジンのコントロールユニットに不具合があるのでは…」

などなど…

しかし、まだ点検する箇所があったと辿り着いたのが…

「インジェクター」です。

とりあえず、取り外してみました。

上が3番シリンダー、下が2番シリンダーのインジェクターです。

マルチテスターで内部抵抗を測定みると…

2番シリンダーが「13.3Ω」

そして、3番シリンダーが「384Ω」(=0.384KΩ)

なんと約30倍の差!

これが原因だ!と、確認のため、2番と3番のインジェクターを入れ替えて、エンジン始動!!

実測値で確認してみると…

2番シリンダーにミスファイヤーが移動していました。

これにより、「インジェクターの不具合」と確定しました。

故障原因が判明して少し安堵していたら…

今度は「日本に部品がありません」との事。

ネットなども含めて、日本中の部品商に問い合わせてみましたが、見つけることが出来ず。

探しに探して…

結局「ヤフオク」で中古部品を見つける事が出来ました。

中古部品という事で、お客様のご了解を頂き、何とか無事に修理作業を終えて、お客様に引き渡し致しました。

振り返ってみると…

●不具合症状が発生していない状態での点検

●故障メモリだけでの安易な判断

●不具合部品を特定するまでの徹底した診断

など、一つ一つを確認出来ていませんでした。

特に「安易な判断」は今後、本当に気を付けていきたいと思います。

久しぶりにやってしまったと感じた出来事でした。

なかなか大変な作業でした④

前回の続きです。

こちらが取り外したウォーターポンプ。

ちょうど右側に「遮熱版」が取り付けられています。

これはターボチャージャーの熱を直接的に受けないように付いています。

この遮熱版を外します。↓↓↓

そして、漏れている箇所を確認しましょう。

一番多く漏れていた箇所がこちら↓↓↓

どこから漏れているのか?

角度を変えてみると…

お判りでしょうか?

左側の黒いプラスチック製のパイプ部とアルミ製のウォーターポンプとの接合部から漏れています。

そして、もう一か所。

ここは遮熱版でカバーされていた箇所です。

やはりプラスチック製の部品では耐久性が落ちるという事なのかもしれません。

それでは新品部品と比べてみましょう。

左側が不具合部品。右側が新品です。

こうして見ても、改善されたところが分かりません。

もしかしたら、材質などの変更があるかもしれませんが…

もし変更が無いということであれば、ある程度の走行距離を走ると、同じようにまた漏れてくる可能性があります。

定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。

車検整備だけでなく、1年定期点検も、お受けになる事をお勧め致します。

その際に、ぜひ弊社へお問い合わせ下さい。

お待ちしております。

なかなか大変な作業でした③

前回、エンジンのベルトが外れたところまで進みました。

今回は、その続きです。

困ったことに、まだ邪魔な部品があるのです。

それがこちら↓↓↓

この矢印のウォーターポンプの上を通るパイプです。

このパイプがどこへ行くかというと…

エンジンの後ろ側へ行ってます。

そして、厄介だったのが、ここです!

この矢印のステー部分を止めているトルクスのボルト。

写真では簡単に外れるようになっていますが…

実際には、こうなっています。↓↓↓

あるパイプが邪魔して外れません。

何のパイプかというと…

実は「エンジンオイルのレベルゲージ」でした。

こちらが、ちょっと角度を変えた状態の写真です。

そして、パイプを固定しているボルトを外して、オイルパンから抜きます。

こうして、スッキリとパイプが無くなり、トルクスのボルトを取り外して、邪魔なパイプを外します。

ちょっと角度を変えてみましょう。

これが外れた状態です。

こういう工程を経て、何とかウォーターポンプが外れました。

ここまでが取り外す工程となります。

この後は、ウォーターポンプの状態などを見てみたいと思います。

まだまだ続きます。

次回をお楽しみに。

なかなか大変な作業でした②

前回、ターボチャージャーが外れたところからの続きです。

さて、この車両のウォーターポンプは「ベルト駆動」されているため、エンジンのベルトを外す必要があります。

これが、「はい、そうですね」と外れません。

ターボチャージャーが外れる前のレンジンルーム。

見ての通り、左側に大きな「マウント」があります。

それがこちら↓↓↓

まずは、このクーラントリザーバータンクを外します。

横から見ると、こうなります。

↓↓↓

上側と下側に分かれてマウントがあります。

上側のマウントは全て、上から外れますので特に問題ありません。

下側のマウントはエンジンと接続しているボルトは、エンジンルームからではなく、「タイヤハウス内」になります。

それがこちら↓↓↓

フロントタイヤとタイヤハウスカバーを取り外す必要があります。

そして拡大してみると…

こうして、ようやくマウントが外れます。

外れて見えてくるのが、ベルトテンショナーです。(矢印)

拡大してみると…

左側がベルトテンショナー。右側がウォーターポンプです。

ベルトテンショナーを動かしてベルトを外すには、どうするか。

この部分にトルクスのソケットを差し込み、時計回りに動かして外します。

でも、この部分は本来、工具が入るほどのスペースはありません。

マウントが固定されている時は、こんな状態です。

この状態から上側にエンジンを上げます。

このくらいまで上げると工具が入ります。

上げる方法はエンジンハンガーで上げるか、下からジャッキで上げるかです。

そしてベルトが外れます。

これでウォーターポンプが外れると思ったら大間違いです。

まだまだ続きます。

なかなか大変な作業でした①

昔に比べて、最近の車両はサイズも、排気量も大きくなりました。

ちょっと前に 「大きな車体の割に小さなエンジン」という、いわゆる 「ダウンサイジング」なるものが流行り、エンジンの排気量を大きくしなくても、しっかり走るように設計させるようになりました。

ですが整備士として、 多くの車が「FF(フロントエンジン、フロントドライブ)」がベースになっているため、 見ていると年々「整備をするスペースが狭くなっている」と感じます。

先日、「ウォーターポンプから水漏れしている」との修理依頼がありました。

車両はメルセデスベンツBクラス(W246)です。

エンジンはM270の4気筒エンジン。

もちろん「FF」ベースです。

エンジンルームを見てみましょう。

見た通り、手が入る隙間がありません。

そして上のカバーとエアーダクトを取り外してみます。

ウォーターポンプが、どこにあるのかというと…

正面に向かって、左側にある「オレンジ色」のダクトの入口の下あたり。

↓↓↓

ここです!

このウォーターポンプを外すために、多くの部品を外さなくてはいけません。

まずは見える部分である「ターボチャージャー」から外して行きます。

ハーネスラインやベンチレーションラインなどを外します。

ターボチャージャーがハッキリと見えて来ました。

ちなみに、このターボチャージャーは、エキゾーストマニホールド「一体型」となっていますので、これがまた大変です。

エキゾーストマニホールドを固定しているナット、ターボチャージャーに入っているオイルライン、フロントエキゾーストパイプを固定しているボルト等々。

外さなくていけない個所が多くあります。

その工程を経て、ようやく外れます。

外れたターボチャージャーはこちら↓↓↓

上からの写真では、分かりませんが、下側にもパイプラインがあります。

そうして、ようやくウォーターポンプが見えて来ました。

でも、これからが更に大変です。

では次回を、お楽しみ!!

こんな故障は初めてです②

さて、前回からの続きです。

「エンジン音が大きい」

↓↓↓

「エンジンチェックランプ点灯」

↓↓↓

「カムシャフト作動しない」

↓↓↓

「エンジンコントロールユニット交換」

と進んでいった結果、全く改善しませんでした(汗)

いやぁ~参りました…

「電気的な故障」も、「機械的な故障」も、全て点検し、何度も見直しましたが全くわからず…

色々な方に、相談してみましたが「そんな故障は聞いたことが無い」と。

あるところの情報では…

「バルブリフターの不具合ではないか」

「カムシャフト自体に問題があるのではないか」

など、どちらにしても安い金額では無い部品ばかりです。

色々と考えて、まずは「エンジオイルを交換して変化があるかどうか」を確認してみる事に。

↓↓↓

左側が入っていたエンジンオイル。

右側が新品のエンジンオイルです。

比べてみましたが、粘度には、あまり問題は無さそうでした。

そしてエンジンオイルフィルターも、ついでに交換しておこうと…

キャップを開けたところ。

↓↓↓

???

写真では、分かりにくいですが違和感を感じました。

そして取り外してみると…

↓↓↓

角度を反対に変えると↓↓↓

お分かり頂けるでしょうか!?

新品の部品と比べてみましょう!

↓↓↓

形状が縮み、変形していました。

そうなんです!

エンジンオイルフィルターが詰まっていたことで、エンジン全体にオイルが回りきらないために、音が出て、カムシャフトも作動出来ないという事が判明しました。

エンジンオイルとフィルター交換後、正常な作動に復帰しました。

この故障原因に、たどり着くまでに、なんと約3か月もかかりました(汗)

いやぁ~長かった(涙)

長年、整備士として働いてきましたが、こういう症状での故障は初めてでした。

原因がわかってみると、また、故障診断が面白いと感じてしまいました。

これからも努力精進していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。