整備日記

サイト管理人のブログです。

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なかなか大変な作業でした③

前回、エンジンのベルトが外れたところまで進みました。

今回は、その続きです。

困ったことに、まだ邪魔な部品があるのです。

それがこちら↓↓↓

この矢印のウォーターポンプの上を通るパイプです。

このパイプがどこへ行くかというと…

エンジンの後ろ側へ行ってます。

そして、厄介だったのが、ここです!

この矢印のステー部分を止めているトルクスのボルト。

写真では簡単に外れるようになっていますが…

実際には、こうなっています。↓↓↓

あるパイプが邪魔して外れません。

何のパイプかというと…

実は「エンジンオイルのレベルゲージ」でした。

こちらが、ちょっと角度を変えた状態の写真です。

そして、パイプを固定しているボルトを外して、オイルパンから抜きます。

こうして、スッキリとパイプが無くなり、トルクスのボルトを取り外して、邪魔なパイプを外します。

ちょっと角度を変えてみましょう。

これが外れた状態です。

こういう工程を経て、何とかウォーターポンプが外れました。

ここまでが取り外す工程となります。

この後は、ウォーターポンプの状態などを見てみたいと思います。

まだまだ続きます。

次回をお楽しみに。

なかなか大変な作業でした②

前回、ターボチャージャーが外れたところからの続きです。

さて、この車両のウォーターポンプは「ベルト駆動」されているため、エンジンのベルトを外す必要があります。

これが、「はい、そうですね」と外れません。

ターボチャージャーが外れる前のレンジンルーム。

見ての通り、左側に大きな「マウント」があります。

それがこちら↓↓↓

まずは、このクーラントリザーバータンクを外します。

横から見ると、こうなります。

↓↓↓

上側と下側に分かれてマウントがあります。

上側のマウントは全て、上から外れますので特に問題ありません。

下側のマウントはエンジンと接続しているボルトは、エンジンルームからではなく、「タイヤハウス内」になります。

それがこちら↓↓↓

フロントタイヤとタイヤハウスカバーを取り外す必要があります。

そして拡大してみると…

こうして、ようやくマウントが外れます。

外れて見えてくるのが、ベルトテンショナーです。(矢印)

拡大してみると…

左側がベルトテンショナー。右側がウォーターポンプです。

ベルトテンショナーを動かしてベルトを外すには、どうするか。

この部分にトルクスのソケットを差し込み、時計回りに動かして外します。

でも、この部分は本来、工具が入るほどのスペースはありません。

マウントが固定されている時は、こんな状態です。

この状態から上側にエンジンを上げます。

このくらいまで上げると工具が入ります。

上げる方法はエンジンハンガーで上げるか、下からジャッキで上げるかです。

そしてベルトが外れます。

これでウォーターポンプが外れると思ったら大間違いです。

まだまだ続きます。

なかなか大変な作業でした①

昔に比べて、最近の車両はサイズも、排気量も大きくなりました。

ちょっと前に 「大きな車体の割に小さなエンジン」という、いわゆる 「ダウンサイジング」なるものが流行り、エンジンの排気量を大きくしなくても、しっかり走るように設計させるようになりました。

ですが整備士として、 多くの車が「FF(フロントエンジン、フロントドライブ)」がベースになっているため、 見ていると年々「整備をするスペースが狭くなっている」と感じます。

先日、「ウォーターポンプから水漏れしている」との修理依頼がありました。

車両はメルセデスベンツBクラス(W246)です。

エンジンはM270の4気筒エンジン。

もちろん「FF」ベースです。

エンジンルームを見てみましょう。

見た通り、手が入る隙間がありません。

そして上のカバーとエアーダクトを取り外してみます。

ウォーターポンプが、どこにあるのかというと…

正面に向かって、左側にある「オレンジ色」のダクトの入口の下あたり。

↓↓↓

ここです!

このウォーターポンプを外すために、多くの部品を外さなくてはいけません。

まずは見える部分である「ターボチャージャー」から外して行きます。

ハーネスラインやベンチレーションラインなどを外します。

ターボチャージャーがハッキリと見えて来ました。

ちなみに、このターボチャージャーは、エキゾーストマニホールド「一体型」となっていますので、これがまた大変です。

エキゾーストマニホールドを固定しているナット、ターボチャージャーに入っているオイルライン、フロントエキゾーストパイプを固定しているボルト等々。

外さなくていけない個所が多くあります。

その工程を経て、ようやく外れます。

外れたターボチャージャーはこちら↓↓↓

上からの写真では、分かりませんが、下側にもパイプラインがあります。

そうして、ようやくウォーターポンプが見えて来ました。

でも、これからが更に大変です。

では次回を、お楽しみ!!

結構、変わります。

自分で購入して日頃、使用している車両を大事にするお客様が、ほとんどです。

そして、そのほとんどのお客様は、そのまま使用しています。

言い換えると、購入後、その車両をいわゆる「イジる」方は少なくなってきました。

例えば…

・フロント、リヤスポイラー

・サイドステップ

・ダウンサス

・マフラー

などです。

ほとんどの方は、満足された状態で購入しているという事なのでしょう。

ですが中古車として購入した場合、自分の「こだわりたい」という想いを持っている、お客様もいらっしゃいます。

先日、「サスペンションを変えたい」とのご依頼を頂きました。

部品は持ち込みです。

早速、作業掛かりました。

こちらはリヤ側となります。

そして分解します。

交換したいと依頼を受けたのが、こちら↓↓↓

「コイルスプリング」です。

よく見ると、全長は変わりませんが、コイルの巻き方が違います。

上側が狭くなっていて、下側が広がっていますね。

これでどんな変化があるでしょうか…

そして、こちら↓↓↓

こちらはフロント側になります。

フロント側は、取り外す作業は、なかなか大変でしたね。

こんな感じにバラバラになります。

こちらも全長は変わりませんが、コイルの巻き方が違います。

フロント側は上側が広がっていて、下側が狭くなっています。

どんな変化があるのでしょうか…

こんな感じです。

こちらはフロント側。

↓↓↓

そして、リヤ側。

↓↓↓

車高が下がりました。

チラッと白いコイルスプリングが見えるのが、ちょっとカッコイイなと感じてしまうのは私だけではないと思います。

コイルスプリングの形状が変わるだけで、こんな変化があるんですね。

こういうやり方があります!

現在、新車として販売されている車両の、ほとんどはメーカー専用に診断機が用意されています。

そして、その診断機でないと正確な診断やトラブルの解消が出来ないようになっています。

特に最近では、「パーキングブレーキ」が電子制御化されているケースが多く、そのためブレーキパッド交換やオイル交換の作業をする過程で、そのメーカーの専用診断機が必要となるのです。

その診断機を持っていない整備工場では作業が出来ないというケースが増えつつあります。

特に輸入車は当たり前のようになっています。

その狙いとして当然ですが、新車を販売されているディーラーさんの、お客様が他社へ流れる事を防止する効果がありますし、一時的にお客様が離れたとしても「整備が出来ない」という事で戻ってくる事も考えられます。

そんな中で、診断機がなくてもブレーキ交換が可能にしてくれているメーカーがあります。

それは「メルセデスベンツ」です。

さすが!ベンツです!!

早速、ご紹介させて頂きましょう!!!

まずは、こちらはリヤのブレーキキャリパーです。

角度を変えると…

矢印の部分がサイドブレーキ用のモーターになります。

このモーターの位置を取り外す事が出来るような位置、ベンツ用語で言う「作業ポジション」まで移動させないと、キャリパー内部のピストンがブレーキパッドを押したままになってしまい、取り外す事が出来ないという事です。

では、「作業ポジション」にするための手順をご紹介いたします。

と、その前に!

「イグニッションスイッチ」には4段階の位置があります。

メーカーによって呼び方が違います。

例えば…

「0」 ― 「1」―「2」―「3」

「0」―「15」―「30」―「51」

「OFF」―「AC」―「ON」―「START」

など、というような表記があります。

言い方変えると

「IGOFF」―「AC」―「IGON」―「スターターON」

という方が分かりやすいですかね。

手順を進めるうえで一番、最初の条件が「AC」位置にする事なのです。

この条件を忘れないで下さい。

そして次の条件がメーター内の表示を「総走行距離」表示にする事です。

それがこちら↓↓↓

この状態からハンドルにあるボタンを操作します。

車種や世代によって違いますので、ご注意ください。

古いタイプの場合は「通話開始ボタン」と「OKボタン」を。

新しいタイプの場合は「メインメニューボタン」と「OKボタン」を押します。

今回、紹介するのは中間のタイプです。

それがこちら↓↓↓

ハンドルの横にある「通話開始ボタン」のレバーを上側に押したまま「フィンガーナビゲーションパッド」を押します。

この 「フィンガーナビゲーションパッド」 とは、左右の上側にある、黒い四角いボタンです。

※以下「フィンガーパッド」と表記します。

そうすると約5秒後に、こうなります。

↓↓↓

これを「ワークショップメニュー」画面と言います。

拡大してみると…

「車両データ」「ダイナモテスト」「ブレーキパッド交換」「メンテナンス」という項目が表示されます。

※今回は個別の詳細の説明は省かせて頂きます。

この画面の 「ブレーキパッド交換」 の項目へと「フィンガーパッド」でスクロールさせて、押して確定させます。

そうすると、こんな感じになります。

↓↓↓

この画面と同時に、リヤブレーキからモーター音が聞こえます。

そうすると↓↓↓

この画面表示の状態になると作業が開始出来ます。

ここでイグニッションオフ!

そうすると↓↓↓

こうしてブレーキキャリパーが取り外せます。

ブレーキパッド交換後、逆の手順で元に戻します。

たかがブレーキパッド交換ですが、今後、新しい車両では必要になる作業となっていくのではないでしょうか。

今後、車が進化する度に新しい作業を覚えていかなくてはなりません。

弊社としても勉強を続けて参ります。

ご紹介出来る事があれば、情報を共有していきたいと思います。

宜しくお願い致します。